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[最終回]私たちは皆サービスデザイナーだ――サービスデザインにおける共創とは

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2020/11/16 08:00

 ここ数年、耳にする機会も増えた「サービスデザイン」という言葉。本連載ではその基本について、フェンリルでサービスデザインを担うSD部が解説します。最終回となる第4回は「サービスデザインにおける共創」についてです。

目次

 みなさんこんにちは。この連載も4回目となる今回が最後です。「私たちは皆サービスデザイナーだ」を最終回のタイトルにしましたが、より腹落ちしやすいよう、少しこの連載を振り返ってみましょう。

1.サービスデザインの基礎

初回の記事では、サービスデザイン思考の6原則を取りあげ、サービスデザインの基礎に触れました。サービスデザインによって目指すのは、「ユーザーや提供者、そのほかのステークホルダーが相互的に作用し合い、かつ刻一刻と形を変えながら、新しい体験価値を生み出す状態を実現すること」です。

これは一朝一夕にできるものではなく、企業側のサービス提供の仕組みや組織のありかたなど、考えかたを根本から変えなければ実現しない場合もあります。経営側がこの取り組みにコミットしなければ、どれだけ優秀なデザイナーがいたとしても上手くいくものではありません。

2.サービスデザインに必要なステップ

2回目の記事では、株式会社オールユアーズ(オリジナルウェアブランド「ALL YOURS」を運営)と株式会社スタメン(エンゲージメント経営プラットフォーム「TUNAG」を提供)の取り組みを通じ、サービスデザインに必要なステップを紹介しました。

サービスの提供側と顧客/ユーザー側双方が、サービスの提供/利用を通じて価値向上を目指すのがサービスデザインです。両社はいずれも「エンゲージメント」をキーワードに、顧客との持続的な共創関係を構築しています。重要なのはスタッフ1人ひとりが顧客とのタッチポイントにおいて、サービスのブランドのありかたを体現できていること。そのためには、企業側の理念やブランドパーパスの共有が不可欠です。

3.サービスの体験価値を高めるための要素

3本目の記事では、「コンテンツ・機能」「パフォーマンス」「ユーザビリティ」「ブランド」「運営・運用」といった、サービスの体験価値を高めるために私たちフェンリルが重視している5つの要素を紹介。それぞれの要素がなぜ体験の良し悪しに影響するのか、どうすれば体験価値が向上するのかについて説明しました。最初の3つはサービスのクオリティを、後ろのふたつはサービスに対する顧客のエンゲージメントを表しています。これらの関係性を意識し、それぞれの要素に対して施策を展開していくことが、サービスの体験価値を高める近道となるのです。

 さて、過去3回を振り返ったところで、私たちがサービスデザインに注目すべき理由をあらためて考えてみましょう。そこには時世や価値観などさまざまな変化が関係しています。

いまサービスデザインに注目すべき理由

 ひと昔前、足りないものがあるからそれを補う、という消費者のニーズは明確でした。大量仕入れで原価を下げ、生産効率を高めることで大量生産。手ごろな価格で売り出すことで、企業は利潤を最大化できました。

 ですが時代は変わり、生活に不可欠なモノは人々に行き渡り、顕在化したニーズは満たされるように。そして、移動や家事、仕事が効率化したことで可処分時間が増加しました。人々の関心もいかに時間を有意義に使うかといったことに移り、ますますライフスタイルを重視するようになってきました。

 つまりサービスやプロダクトにおいても、ライフスタイルを充実させることができるかどうかが重要になったのです。モノ自体に価値があるのではなく、モノは利用されて初めて価値が生まれる――。これが、モノからコトへと言われるようになったゆえんです。そして、この変化でもっとも大切なのは、価値を創造する主体が提供側から顧客/ユーザー側に移ったという点です。

 顧客は、さまざまなモノを組み合わせたり、ほかの人と共有しながら新たな価値を創造しています。そのため、100円ショップで売られている収納用品や雑貨がDIYでまったく違う形で利用されるというように、提供側の企業が思いもよらない使いがされることも多くありますよね。

 では新たな価値が顧客側で日々生まれているのだとすると、モノを提供する企業はそれをどのように活かしていけばいいのでしょうか。そう、その答えがサービスデザインにあるというわけです。

この記事の続きは、「CreatorZine」に掲載しています。 こちらよりご覧ください。

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