3.思いやりの心
パートナーさんに寄り添い信頼関係を構築することで、急な仕様変更が発生した際にも「この人のためなら」とパートナーさんが快く協力してくれることが多いように思います。3つの中でももっとも大切だと感じているのがこちらです。
では、どのようにパートナーさんに寄り添い、プロジェクトを進めていくのか。ウェブサイト制作の例でご紹介します。
相談の概要
- クライアント:大手通信事業会社
- 与件:法人向けサービスの訴求、申し込みサイト制作
- ポイント:短期間での煩雑な素材管理が発生していた
今回のパートナーさんへはコーディング周りをお願いしていたのですが、素材のやりとりが比較的煩雑かつ公開までの期間も短いというなかで開発は進んでいました。
こういった状況でなにかミスが発生した場合に備え意識していたのは、状況や場面に応じて、パートナーさんが何を考え、何を求めているのかに寄り添い、一緒に進行することです。
プロジェクトを進行していると、誰しも「しんどい」と感じる場面が訪れます。もちろん私も経験がありますし、これがトラブルの引き金となることがあるのですが、その要因のひとつに「孤独」があります。孤独を感じてしまうと、「なぜ自分だけが」とマイナスな考えに陥ったり、ミスも発生しやすくなります。孤独感を生まないためにも、思いやりの心を持ち、パートナーへ寄り添うことが大切です。
例に挙げたケースでもそういったマインドを意識したところ、パートナーさんも頑張ろうと感じてくださったのか予定よりも早く実装が完了。結果的にクライアントさんにも喜んでいただくことができました。今でもこのときのパートナーさんとはご一緒しており、ともに無理難題に立ち向かってくださるうちの一社です。
大切なのは、どのようにリカバリーするか
パートナーさんとのコミュニケーションにおいて、問題が起きたときに厳しく対応することが必要な場面もあります。ただしそれ以上に大切なのは、直面した課題をどのように乗り越えていくか、その打開策を考えることです。当然、クライアントへ説明する際も、次にどのようなアクションを起こすのか提示する必要がありますし、ことプロデューサー業においては必須のスキルです。
言葉にするとシンプルですが、これがなかなか難しいと感じています。とくに、課題がパートナーさんの専門領域に及ぶと、白旗を上げてしまいたくもなりますし、私も駆け出しのころは、正直パートナーさんに頼りっぱなしでした。
ですが、「二度同じことを聞かない」ことを心掛け、その都度リカバリー方法を学んだこと、またすべての責任は自分にあると思い、何事も自分ごと化して考えることで、その状況を打開していくことができるようになりました。そうすることで「トラブル対応の引き出し」が自身の中で蓄積され、リカバリー力もつき、結果的にクライアントさんやパートナーさん双方からの信頼につながるのです。
いかがでしたでしょうか。本記事が、パートナーとの関係構築を見直すきっかけになれば嬉しいです。次回もお楽しみに。