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アスクルとリンクアンドモチベーションCTOが語る、テクノロジーで描く開発者体験の向上と未来の事業の話

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2021/10/04 11:00

 アスクルとリンクアンドモチベーションは、エンジニア向けのイベントをオンラインで開催。日本CTO協会理事を務めるレクターの広木大地氏をモデレーターに迎え、アスクルCTO兼DX(テクノロジー)ボード統括部長の内山陽介氏と、リンクアンドモチベーション開発責任者の柴戸純也氏が、テクノロジーで描く未来について語り合った。本記事では、2021年7月に開催された「CTOが語る、テックカンパニーに向けた未来の話。」をレポートする。(編集部)

目次

「組織の病」から人々を開放し、パフォーマンスが最大化するプロダクトを創る

 事業所向け通販「ASKUL」と個人向け通販「LOHACO」を運営するアスクルと、モチベーションにフォーカスした経営コンサルティング企業のリンクアンドモチベーション。非テックカンパニーとして生まれた2社が、どのようにeコマースとHRテックの最前線を走るテックカンパニーへと変貌を遂げ、業界の未来を変えていこうと取り組んでいるのか。まずは、現在の取り組みから目指す事業、組織、技術について紹介された。

 働く人が抱える悩みは、職場の人間関係やメンタル不調などさまざまあり、現代社会の課題ともいわれている。リンクアンドモチベーションはこれらを「組織の病」と定義している。柴戸氏は、「組織の病から人々を解放し、一人ひとりの能力が最大限発揮される世の中を実現したい。それが私たちの実現したい未来」と語る。

 その実現に向け、従業員エンゲージメントや組織状態を可視化するSaaSプロダクト「モチベーションクラウド」を2016年より提供を開始。多くの企業が導入しており、業員エンゲージメント市場における国内売上シェアNo.1(2019年度)を誇る()。開発組織は全体で60名、その内の約30名をエンジニアが占め、積極的にSaaSサービスを提供している。

)出典: ITR「ITR Market View:人材管理市場 2021」

リンクアンドモチベーションの開発組織
リンクアンドモチベーションの開発組織

 今回のテーマ「テクノロジーで描く未来」について、リンクアンドモチベーション開発責任者の柴戸氏が想定した未来は2030年代。ARやロボットなどがほぼ実用化されている時代に、それらのテクノロジーはまず個人から適応し、その後企業にも広がると予測されている。

 「組織の病に対する取り組みも、現在は発症した病気(悪化した組織状態)への対応や分析、病気の治療もコンサルタントという外部の専門家に頼る受動的な状況ですが、発症前(組織状態の悪化前)の予兆検知やさらなる健康の促進ができるようになり、専門家に頼らず自分たち自身でチームのパフォーマンスを最大化させる環境を創ることができる世界になるでしょう。その必需品となるプロダクトを育てていきたいと思っています」(柴戸氏)

 そのプロダクトを育てるために必要なのは、「データ活用の深化」と「コンサルタントの思考や行動をテクノロジーによって再現すること」だと語り、活用している技術スタックを紹介した。

世の中の組織改善の今と未来
世の中の組織改善の今と未来

既存サービスをディスラプションし、通販・ロジスティクス事業の内製化へ

 アスクルはeコマース業界に属し、主に通販事業とロジスティクス事業を展開している。通販事業ではすべての仕事場の必需品を取り扱う事業所向けECサイト「ASKUL」と、飲料・食品、日用品をはじめ、コスメ、医薬品まで揃う個人向けECサイト「LOHACO」を運営開発、ロジスティクス事業は自社物流・配送を強みとしている。さらに、ECサービスで培ったビッグデータを活用したデータドリブンの取り組みも進めている。6年前からエンジニア組織を作り、内製化を進めているという。

アスクルのサービス・事業
アスクルのサービス・事業

 CTOの内山氏は、2015年よりヤフーから出向していたが、2018年にアスクルに入社。LOHACOの開発責任者、ロジスティクスの配送やビックデータのシステム責任者を経て現在のCTOとしてシステム組織の最適化や、全社のテクノロジー化を推進している。

 アスクルは2025年までに成し遂げることとして、オフィス通販からのトランスフォーメーションを挙げる。すべての仕事場と暮らしを支えるインフラ企業になるべく、BtoB最強ECサイトの構築、戦略業種と品ぞろえの拡大、Zホールディングスグループとのシナジー強化、プラットフォームの改革を基軸とした成長戦略に取り組んでいる。

 「CTOのビジョンとしては、アスクル自体をディスラプションし、世の中をあっと言わせるようなサービスをテクノロジーの力で作り上げたいと考えています。その圧倒的な仮説検証速度のために、自動テストと自動リリース、高回転な開発基盤、クラウドネイティブの基盤作りを進めています」(内山氏)

圧倒的な仮説検証速度を手に入れる
圧倒的な仮説検証速度を手に入れる

 さらに次のターンとして、「サプライチェーン全体のシステムとデータでサービスの高速進化を目指していきたい」と、内山氏。技術のモダン化も進めている。Googleマーケティング プラットフォームによる自動化やAIを全体で作ったアスクルシミュレーター、配送管理システムをオープン化などの具体的な取り組みも紹介された。


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著者プロフィール

  • 馬場 美由紀(ババ ミユキ)

     エンジニアとテクノロジーが好きな編集・ライター。エンジニア向けキャリアサイト「Tech総研」「CodeIQ MAGAZINE」、Web技術者向けの情報メディア「HTML5 Experts.jp」などでライティング、コンテンツディレクション、イベント企画などを行う。HTML5 開発者コミュニティ「h...

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