ロジカルなデザインとパッションのバランス
ここまで概念的にレイヤーで分け、要素を構造化しデザインを行うことを説明してきました。デザインには裏付けがあり、ロジカルにつくることを重視しています。
ただ、それだけで優れたデザインを作ることができるとは限りません。ただ単に「ヒューマンインターフェースガイドライン」や「マテリアルデザイン」に沿って「正しいデザイン」を作ろうとすれば、すべてが類似したサービスやUIになってしまいます。
そこで大切になるのが、デザイナーのパッションやビジュアルデザインのパワーだと思っています。
ロジカルとパッション。この相反するようなふたつの要素がバランスよくあわさったとき、ユーザーの心を突き動かすデザインが完成し、「マジック」が生まれるのだと考えています。
UIデザイナーが必要なくなる日が来る!?
最近では「STUDIO」や「flutter flow」、「Shopify」など、コーディング不要のノーコード開発ツールが続々とリリースされています。UIデザインという観点では、ある一定の水準であれば誰でも制作できる環境になりつつあります。近い将来、UIデザイナーが必要なくなる、またはありかたが変わる日が来るかもしれません。
ただ先ほど述べた「マジック」はパッションを内包したビジュアルパワーで生み出します。ロジカルなデザインと向き合いながら、常にほかの領域への好奇心を持ち、領域をまたぎ超え続けるようとする意識を持つことが、これからのUIデザイナーに必要な素養のひとつではないでしょうか。
まとめ
UIデザインは画面単体のレイアウトなど設計にフォーカスされますが、目的やユーザーの課題や背景、環境などさまざまな要素を理解し情報を精査し、先ほどあげた図1のようにレイヤーに分け、骨組みを構築することが大切だと考えています。
- 外観のデザインではなく必要な要素を抽出し「要素の構造化」で骨組みをつくる
- ロジカルな「正しいデザイン」にビジュアルデザインなどパッションで「マジック」を生み出す
次回はFlutterのマテリアルデザインについてです。
Flutterは、Google社が開発しているクロスプラットフォーム開発のできるフレームワークです。Android端末ではなくiOS端末においてもマテリアルデザインを適用できるため別々にデザインを考える必要はなく、どちらもマテリアルデザインをベースとしたデザイン設計が可能になり、かつ、今までより短期間で開発できることが期待されています。
次回もお楽しみに。以上、新谷でした。