V8 JavaScriptエンジンとRustに基づくJavaScript/TypeScriptランタイム環境であるDenoの開発チームは、最新バージョンとなる「Deno 1.22」を5月18日(現地時間)にリリースした。
Denoでは、これまで型チェックモードとして、直接制御(依存関係)外のコードについて型エラーが報告されることのある「Full」が用いられていたが、今回リリースされた「Deno 1.22」では、デフォルトの型チェックモードとして、プロジェクト内のコードの型エラーをチェックするものの、すべての依存関係の型チェックはスキップされる「Local」に変更されている。
従来バージョンに付属していた、ソースコードをトランスパイルおよびバンドルするためのAPIであるDeno.emit()が不安定であることを理由に削除され、代替としてユーザーのニーズにより適したAPIの開発を可能にするユーザーランドモジュールが提供されるようになった。
さらに、Webワーカーを更新してDeno名前空間をデフォルトで有効にすることで、必要な権限が設定されていればデフォルトでWebワーカーによって名前空間APIが使用できるようになっている。
ほかにも、設定ファイルの自動検出を無効にするフラグ--no-configの追加や、発信HTTPリクエストに設定されるUser-Agentヘッダと同じ値に設定されるuserAgentプロパティのnavigatorオブジェクトへの追加、Deno.resolveDns() APIの更新によるNS、CAA、SOA、NAPTRレコードタイプ解決への対応、 JSON構造からResponseオブジェクトを簡単に作成可能な静的メソッドResponse.json()の追加、deno lspを使用したデフォルトでのIDE/エディタにおけるリンティングの有効化、Deno.spawn() APIの安定に向けた取り組み、テストランナーにおけるいくつかの更新など、数多くの機能追加・改善が行われた。
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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