はじめに
Visual Studio 2005 Team System(以下、VSTS)がリリースされ、Visual Studioのターゲットは開発者の枠を越えることになりました。この製品はプロジェクトマネージャーからテスターまでを包括的にカバーし、チーム開発を強力に支援するものとしてリリースされましたが、まだまだ浸透していないように思います。
今回は、VSTSのうち、データベース開発者・管理者向けにリリースされているVisual Studio 2005 Team Edition for Database Professionals(以下、VSDP)に用意されているデータベース開発機能について、それぞれの概要を紹介します。
今までの記事
- 第1回:Visual Studio 2005 Team Systemの全体像を知る
- 第2回:Visual Studio 2005 Team Edition for Software Architectsの4つの分散デザイナ
- 第3回:単体テストからパフォーマンス分析まで、VSTDでシステム開発を自動化しよう
- 第4回:手動テストからロードテストまで、VSTTでテストフェーズを効率化する
対象読者
- .NET Frameworkを利用した開発プロジェクトに携わっている人。
- Visual Studio 2005 Team Systemに興味がある人。
必要な環境と準備
特にありません。
VSDPの機能
VSDPには、データベースのスキーマ開発を支援するための機能として主に図1の機能が用意されています。
図1に示すとおり、何もないところから新規作成、または既存データベースからインポートを行い、各種機能を駆使して新しいデータベースを作成するためのさまざまな機能を持っています。これらをまとめて簡単に説明すると表1のとおりになります。
機能 | 内容 |
データベースの作成と編集 | データベーススキーマの新規作成、編集。既存データベーススキーマのインポート |
データジェネレータによるデータの生成 | スキーマに合わせたランダムデータの生成 |
データベースの比較 | 既存データベースや別データベースプロジェクトとの比較 |
単体テストによるデータベースの検証 | ストアドプロシージャなどを単体でテスト実行 |
データベースのリファクタリング | データベース列名の名前変更リファクタリング |
これらの機能を駆使することによって、Visual Studio Team Systemの枠組みの中でデータベーススキーマの作成や編集作業をより効率よく行うことができるようになります。ただし、VSDPはSQL Server 2000またはSQL Server 2005の2つのデータベースにしか対応していませんので注意してください。それでは、さっそくそれぞれの機能について解説したいと思います。