英Raspberry Pi財団は、ARMベースでRP2040を搭載するマイクロコントローラに対応したデバッグハードウェアソリューション「Raspberry Pi Debug Probe」を、2月20日(現地時間)に発売した。価格は12米ドル。
Raspberry Pi Debug Probeは、以下のハードウェアで構成されている。
- USBとシリアルワイヤデバッグ(SWD)間のブリッジ
- 汎用USBシリアルアダプタ
- ホストコンピュータとデバッグターゲットに接続するケーブル
Raspberry Pi Pico、およびその他のRP2040ベースのターゲットを想定して設計されているが、3V3 I/Oを備えたSWDポートを搭載するARMベースのマイクロコントローラであればデバッグできる。
RP2040を含む、最新のARMベースのマイクロコントローラはすべて、ARMのCoreSightデバッグアーキテクチャを実装しており、RP2040で使用されるCortex-M0+などの各プロセッサコアは、シングルステップ、ブレークポイントの設定、プロセッサレジスタの値の監視、プロセッサのバスインターフェイス経由によるメモリとペリフェラルへのアクセスに使用可能なアクセスポートを提供する。
マイクロコントローラ自体がデバッグポートを提供し、デバッグポートは外部ではパッケージのピンに接続され、内部ではシステム内の各アクセスポートに接続される。RP2040は、ピン数の少ないシリアルワイヤデバッグ(SWD)ポート経由でデバッグポートを公開する。SWDプロトコルを使用して、ホストコンピュータは各コアのアクセスポートを制御し、コアで実行されているプログラムをデバッグできる。
デバッグプローブは、USBとSWDプロトコル間のブリッジを提供し、ホストコンピュータがRaspberry Piである場合、厳密では必須ではないものの(ターゲットのSWDポートをRaspberry PiのGPIOヘッダに直接配線できる)、USB経由で接続するよりもはるかに便利になる。
今回発売されたRaspberry Pi Debug Probeは、Raspberry Pi Debug Connector Specificationに準拠した3ピンJSTコネクタにSWD信号を出力する。ブレッドボードやRaspberry Pi Pico H、WHのデバッグコネクタにハンダ付けすることなく接続可能なアダプタケーブルの提供を行う。
また、ARMによって標準化された、ホストコンピュータとデバッグプローブ間のUSB通信に使用されるプロトコルである、CMSIS-DAP標準に準拠しているので、OpenOCDを含む既存のデバッグソフトウェアの多くで、直ちに使用できる。
さらに、SWDブリッジと同じUSB接続経由で、USBシリアルアダプタとして機能し、2つめの3ピンJSTコネクタにUART信号を出力する。なお、この機能もRaspberry Pi Debug Connector Specificationに準拠している。
デバッグ機能を必要としないユーザーにとっても、Raspberry Pi Debug Probeは低価格なUSBシリアルアダプタとして役立つ。
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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