ガートナージャパンは、日本におけるオンプレミスに関する展望を3月16日に発表した。
近年、ハイパースケーラがハイブリッドクラウドまたは分散クラウドのソリューションの一部として、オンプレミスサービスを展開し始めるなど、さまざまなクラウドサービスの展開が進んでいることから、ハイパースケーラと既存のオンプレミスベンダとの競合が再燃しつつある。ガートナーは、この競争を通じて従来型のオンプレミステクノロジが衰退し、クラウドネイティブの要素を取り入れた新たなオンプレミステクノロジへのトランスフォーメーションが進み、その結果ユーザー企業はオンプレミスの在り方を変えなければならなくなると予想している。
インフラ戦略およびイノベーションを率いるITリーダーは、新たなオンプレミスへの理解を深め、備えを強化し、自社システムの将来を考察するとともに、“目利き力”を獲得すべくスキルやマインドセット、新しいスタイルを身に付ける必要がある。
2022年に富士通がメインフレームからの撤退を発表した影響もあってか、レガシーマイグレーションが再度ユーザーからの関心を集めている。IBM、NECを除くメインフレームベンダは、基本的に撤退の方向であることから、ユーザーは何らかのマイグレーション計画を立案せざるを得ない。一方で、メインフレームからオープン環境へのマイグレーションの提案を依頼したものの、想定していた金額よりも遥かに高い見積もりを提示されたため、マイグレーションを躊躇しているユーザー企業も少なくない。マイグレーションに見積もりほどのコスト、時間、労力をかける必要があるのかについて、疑問を持つユーザーも多く存在する。
今後、メインフレームのユーザー数減少にともなって、ベンダから保守料金を大幅に値上げされ、途方に暮れるユーザーがさらに増えると予想される。メインフレームマイグレーションは、未来に向けたコスト最適化への配慮と戦略的投資の考え方を提案に含めるよう、ベンダやシステムインテグレータに要請することが重要であり、マイグレーションにあたっては完璧なコピーを作ることを目指すのではなく、業務システムを重要度ごとに棚卸し、仕分けすることで不要な業務システムを洗い出し、思い切って捨ててしまうことがもっとも効果的といえる。ガートナーは、メインフレームマイグレーションに過剰にこだわることなく、クラウドなどにあるものを割り切って使うことも、マイグレーション戦略においては重要な指針となる、との考えを示している。
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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