Atlassianは、同社の内部モデルとOpenAIとのコラボレーションによる、AIを活用したバーチャル・チームメイトであり、Atlassianのクラウド製品共通のテクノロジ基盤であるAtlassian Platformに組み込まれる「Atlassian Intelligence」を、4月19日(現地時間)に発表した。
Atlassian Intelligenceは、大規模言語モデルを用いて特定の企業におけるチームがどのように協働するかを推測し、行われている作業の種類とそれらの関係性を表示するカスタムなチームワーク・グラフを構築する。チームワーク・グラフは、Atlassian Platformのオープンな仕様によって、チームが他に活用しているサードパーティアプリからのデータと合わせて、さらに強化される。
具体的な機能としては、OpenAIの開発したジェネレーティブAI技術を使って、文脈からの情報の作成、まとめ、抽出によってチームの作業を促進することが可能で、ミーティング議事録からの決定事項やアクションアイテムの迅速なまとめや、Confluenceに記録された製品仕様をもとにしたツイート原稿の下書き、Jira Softwareによる製品アップデートのテストプラン作成といった用途が想定されている。
Atlassian Intelligenceは、Jira Service Managementに常駐するバーチャル・エージェントとしての支援業務にも対応しており、Atlassian Intelligenceの導入によって、SlackやMicrosoft Teamからのサポート応答が自動化されるので、使い慣れたコラボレーションツールから支援を受けられる。また、サポートチームに代わって繰り返し質問される典型的な問い合わせに対応してくれるので、サポートチームはより重要な作業に集中できるようになる。
Atlassian Intelligenceの、バーチャル・エージェントとしての活用方法としては、ナレッジベース記事の知識をもとにした問い合わせリクエストの迅速な解決(必要に応じて、追加の質問も)、アサインされた担当者へ迅速に引き継ぐための、これまでの対応状況のまとめ、心理的に対応が難しい状況において顧客のストレス軽減に寄与する応答文の作成支援などを想定している。
さらに、過去に解決した類似課題の提示による、インシデント解決の迅速化や、適切なナレッジベース記事や関連するページを勧めることによる、申請やインシデント対応の迅速化を支援してくれる。
そのほか、Atlassian Intelligenceは企業やチーム、業務に特化したオンデマンドな辞書を保持し、特定の用語をハイライトして、その定義や情報源、社内の精通している人の確認や、チームワーク・グラフをもとにそれがどのように業務に関係するかなどを尋ねることが可能となっている。また、自然言語を理解しているので、「在宅勤務環境を構築するために利用できる経費申請額は?」「開発環境の構築方法は?」といった、Confluenceに記録されている社内のナレッジやポリシーに関する質問に対する回答や、Jiraクエリ言語を活用したすべてのJira Cloud製品の中からの目的の課題の抽出、サードパーティ製品を含む複数のデータソースを活用した、SQLの知識なしでの分析やデータの視覚化を実現する。
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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