米Googleは、機械学習のためのライブラリであるTensorFlowの最新バージョンとなる「TensorFlow 2.13」と、Pythonで書かれたニューラルネットワークライブラリKerasの最新バージョンである「Keras 2.13」を、7月25日(現地時間)にリリースした。
「TensorFlow 2.13」では、Apple Siliconに対応したほか、TensorFlow Liteにおけるパーティショニングフェーズ中にデリゲートクラスタリングをオフにするオプションの追加、add演算における最大6次元のブロードキャストのサポートなど、いくつかの演算子の改善が行われている。
さらに、tf.data.Dataset.zipにおけるPythonスタイルの圧縮サポート、tf.data.Dataset.shuffleにおける完全なシャッフルのサポート、要素がゼロのデータセットを指定されたカーディナリティまでパディングするtf.data.experimental.pad_to_cardinality変換の追加など、新機能の追加によってtf.data APIの使いやすさが向上した。
ほかにも、oneDNNにおいて実行時間の短縮を目的とした、計算中にFP32テンソルを暗黙でBF16へダウンコンバートする、BF16数学モードのサポートも追加されている。
「Keras 2.13」では、「TensorFlow 2.12」でリリースされた新たな保存形式であるKeras V3が、.kerasを拡張子に持つすべてのファイルでデフォルトになり、Python側モデルの保存とリロードにおいて、多くのメリットが得られるようになった。
なお、従来の保存形式であるh5およびKeras SavedModelも引き続きサポートされるが、Pythonランタイムでの保存/リロードにはKeras V3形式、TF Servingなど他のすべてのランタイムでの推論にはmodel.export()の使用を推奨している。
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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