VMwareは、同社の年次イベント「VMware Explore 2023 Las Vegas」で、企業での生成AIの導入を促進させ、信頼性の高いデータを基にした価値創出を支援する「VMware Private AI」を8月22日(米国時間)に発表した。
VMwareは、企業がPrivate AIを構築し、AIを活用したアプリの新たな流れを加速できるよう、以下の2つの成果を発表した。
- VMware Private AI Foundation with NVIDIA:VMwareとNVIDIAの戦略的パートナーシップを拡大し、VMwareのクラウドやインフラを利用する企業が生成AIの次の時代に備えられるようにした。
- VMware Private AI Reference Architecture for Open Source:現在および将来にわたり最高水準のオープンソースソフトウェア(OSS)のテクノロジーをサポートし、企業がAIで求める成果の実現を支援する。
「VMware Private AI」は、パブリッククラウド、企業のデータセンター、エッジなど、企業のデータが生成、処理、利用される場所にコンピューティング キャパシティとAIモデルを提供する。今回発表したアプローチを通じて、新世代のAI対応アプリに必要な柔軟性と制御を組み合わせ、従業員の生産性の大幅な向上や中核的なビジネス機能の変革、経済効果の増進を実現できる。
マルチクラウド環境では、プライベートでありながら高度に分散されたデータも容易に活用できるため、AIに対応した新しいアプリの基盤となる。VMwareのマルチクラウド アプローチは、あらゆる環境にわたりセキュリティと耐障害性の要件を確保しながら、企業がAIモデルの構築、企業のプライベート データを用いたAIモデルのカスタマイズやその利用場所を柔軟に選択できるようにする。
「VMware Private AI Foundation with NVIDIA」は、統合された一連のAIツールで構成されている。企業が費用対効果に優れた手法で、実績があるモデルを使い、プライベート データを用いて学習させることができる。これらのモデルは、データセンター、主要なパブリッククラウド、エッジにデプロイできる。また、VMware Cloud Foundatio上に構築されたVMwareのPrivate AIアーキテクチャをNVIDIA AI Enterpriseソフトウェアに統合し、コンピューティングを高速化する。この完全一括型ソリューションを通じて、モデルをカスタマイズし、インテリジェントなチャットボット、アシスタント、検索、要約などの生成AIアプリを実行できる高速コンピューティング インフラとクラウド インフラ ソフトウェアを提供する。
「VMware Private AI Reference Architecture for Open Source」は、革新的なOSSテクノロジーを統合し、VMware Cloud Foundation上でOSSモデルを構築して利用するためのオープン リファレンス アーキテクチャを提供する。
さらに、VMwareは新しいVMware AI Readyプログラムを発表した。これにより独立系ソフトウェア ベンダ(ISV)は、VMware Private AIのリファレンス アーキテクチャ上で自社の製品を検証して認定を取得する際に必要なツールとリソースを利用できる。MLOpsとLLMOps、データエンジニアリングと特徴量エンジニアリング、AI向けの開発者ツール、組み込みのAIアプリを重視するISVがこのプログラムを利用できる。この新しいプログラムは2023年末までに利用可能になる予定。
また同社は、生成AIベースのソリューション・ファミリーとなるIntelligent Assistを発表した。同社独自のデータを用いて学習させ、マルチクラウド時代に求められるエンタープライズITのあらゆる要素を簡素化、自動化する。この機能は、企業がこれまでVMware Cross-Cloud Servicesに対して行ってきた投資をシームレスに拡張し、「VMware Private AI」を基盤として構築される。
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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