米Googleは、Android 12以降、およびQualcommとARMのCPUを搭載したデバイス上で動作するChrome 121において、WebGPUがデフォルトで有効化されたことを発表している。なお、近日中にAndroid 11搭載デバイスを含む、幅広いデバイスへWebGPUサポートを拡大していく。
Windows版のChrome 121では、SM6+グラフィックハードウェアを搭載したWindows D3D12マシンにおいて、DirectXコンパイラであるDXCの機能を利用して、シェーダをコンパイルできるようになった。従来、WebGPUはWindowsでのシェーダコンパイルにFXCを利用していたが、DXCはFXCにはない機能セットとパフォーマンス最適化を備えており、初期テストではFXCと比較してコンピューティングシェーダのコンパイル速度が、平均20%向上している。
WebGPUアプリケーションは、タイムスタンプクエリの使用によって、GPUコマンドがコンピューティングパスとレンダリングパスを実行するのにかかる時間を、ナノ秒単位まで正確に測定可能になる。
また、開発エクスペリエンスの向上を目的に、コンピューティングパイプラインやレンダリングパイプラインの作成時に、シェーダモジュールのentryPointを省略できるようになった。シェーダステージにおける一意のエントリポイントがシェーダコード内に見つからない場合は、GPUValidationErrorがトリガされる。
ほかにも、importExternalTexture()を使ってHDR動画からGPUExternalTextureをインポートする際に、色空間としてdisplay-p3の指定が可能になり、アプリ開発中に大量のメモリを割り当てる際のメモリ制限を予測すべく、requestAdapterInfo()はアダプタで利用できるメモリヒープのサイズや種類といった、memoryHeaps情報の公開が可能になった。また、WGSL言語機能の処理を目的に、wgpu::InstanceのHasWGSLLanguageFeatureメソッドとEnumerateWGSLLanguageFeaturesメソッドが追加されるなど、数多くの機能追加・改善が行われている。
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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