米Microsoftは、2024年末の「.NET Conf 2024」にてリリースを予定している「.NET 9」の初期ビジョンのうち、重点分野と補完的な統合について、2月13日(現地時間)付の公式ブログ投稿にて紹介している。
同社は、実稼働アプリケーションを最適化するためのツールとして、ネイティブAOTとアプリケーショントリミングの開発を行っており、.NET 8ではwebapiaotを用いてトリミングとAOTの両方に対してWeb APIアプリケーションを最適化した。
.NET 9では、他の種類のアプリケーションでも同様のことを行うべく、すべてのASP.NET CoreアプリケーションにてDATAS GCの改善に取り組んでいる。Azure Container Appsパートナーは、Kubernetesベースの環境内で.NET 9アプリケーションを複数のインスタンスへ簡単に拡張できるようにしており、Microsoftとの協力によって偽造防止トークンや認証トークンといった一時的なデータが、データ保護を使用して正しく暗号化され、レート制限APIが改善され各ノード間で最適な動作が保証されるよう取り組んでいるという。
Visual Studioパートナーは、クラウドプラットフォーム、ネイティブAOT、.NET Aspire、Azureのデプロイをサポートおよび強化すべく改善を計画している。具体的には、Visual StudioとVisual Studio Codeには.NET Aspireの新たな開発およびデプロイエクスペリエンスとして、コンポーネントの構成、AppHostおよび子プロセスのデバッグ(ホットリロードを含む)、開発者ダッシュボードとの完全な統合が行われるほか、Visual Studio、Visual Studio Code、Azure Developer CLI(azd)を使って、プロジェクトのAzure Container Appsへのデプロイが可能になる。
さらに、.NET 9に向けて.NET開発者が既存および新たなアプリケーションにAIをより簡単に統合できるようにするための取り組みが行われており、OpenAIおよびOSSモデル(ホスト型およびローカル)を操作するためのライブラリとドキュメントを用意する。また、.NET開発者がインテリジェントなアプリケーションを構築する経験を得られるよう、セマンティックカーネル、OpenAI、Azure SDKとのコラボレーションを継続して行っていく。
今後は、.NET 9のプレビューリリースがGitHub Discussionsにて公開される予定で、現在は.NET 9 Preview 1のダウンロードが可能になっている。あわせて、ダッシュボードUIの改善とAzure OpenAI、Kafka、Oracle、MySQL、CosmosDB、Orleansといった新たなコンポーネントが含まれる.NET Aspire Preview 3も公開された。
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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