LINEヤフーは、生成AIを活用するための技術基盤や利用環境を整えることによって、個人向けサービスを中心に約10か月で計16件の生成AI機能を導入したことを、2月28日に発表した。
同社では、生成AIを活用するための技術基盤として、従業員がさまざまな生成AIを選択できる環境づくりに取り組んでおり、米OpenAIが提供するすべてのAPIに関する利用契約を締結しているほか、Google Cloudで提供される大規模言語モデルの利用も可能にし、今後はAmazon Web ServicesやMicrosoft Azureで提供される大規模言語モデルの導入も予定している。
あわせて、全従業員の受講が必須となっているeラーニングを通じて、生成AIを活用する際の主要なリスクや、プロンプトの工夫に関する生成AI利用研修を実施しており、従業員は同研修後に実施される試験に合格した後で、対話チャット型の独自AIアシスタント「LY ChatAI」を使えるようになる。
2023年7月以降、LINEおよびその子会社、ヤフーの従業員約2万人に提供された独自AIアシスタントは、アンケートによって約7%の生産性向上が確認された。また、2023年10月に約7000人のエンジニアに対して導入されたAIペアプログラマ「GitHub Copilot」では、約10〜30%の生産性向上が確認されている。
2月28日現在、LINEヤフーのサービスでは13件で生成AIが導入されており、引き続きサービスの品質向上および利便性向上を図っていく。さらに、生成AIを含むコースを展開する「データ・AI活用人材育成プログラム」を、法人向けに提供している。
社外向けサービスにおける具体的な導入状況としては、「LINEプロフィールスタジオ」における自分の顔写真を元にしたビジュアルイメージの生成、「PayPayグルメ」におけるChatGPTプラグインの導入、「PayPayフリマ」における出品時の商品説明文作成サポート、「LINE」公式アカウントにおけるユーザーへの返信テキスト案の自動生成、「DS.INSIGHT」におけるデータ結果の仮説設計や分析のサポート、「Yahoo!ニュース」におけるコメント欄の要約およびニュースを基にした2023年のポジティブ/ネガティブ度の判定、「Yahoo!検索」における一部クエリに対する回答の掲出テスト、「LINEオープンチャット」におけるメッセージ内容の要約、「Yahoo!知恵袋」における回答の表示、「LINE」アプリにおけるユーザーの質問に対する回答および情報検索や画像の翻訳・解析など、「Yahoo!しごとカタログ」における企業のクチコミ要約が挙げられる。
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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