米Amazon Web Servicesは、ソフトウェア開発の迅速化、社内データ活用を支援する生成AIアシスタント「Amazon Q」の一般提供を、4月30日(現地時間)に開始した。
Amazon Q Developerは、コーディング、テスト、アプリケーションのアップグレード、トラブルシューティング、セキュリティスキャンや修正の実行、AWSリソースの最適化といった、開発者やIT担当者のあらゆる業務を支援する、高度な生成AI機能を提供する。
ほぼリアルタイムでのコードのサジェストやレコメンドを生成可能であり、複数行のコードサジェストを実行するアシスタントとして業界最高のコード受け入れ率を誇る。また、充実したカスタマイズ機能を搭載し、社内コードベースを安全に活用してより関連性と有用性の高いコードレコメンドを提供することで、さらなる時間短縮を実現する。カスタマイズは完全にプライベートな環境で行われるため、基本となる基盤モデル(FM)のトレーニングには使用されない。
さらに、機能の実装、記録、コードのリファクタリング、ソフトウェアアップグレードの実行といった、幅広いタスクを自律的に遂行できるAgents機能を備えており、アプリケーション機能を実装したいと伝えるだけで、Agentsが既存のアプリケーションコードを解析してステップごとの実装計画を生成してくれる。
アップグレードプロセス全体を自動化し、管理することも可能で、すでに提供されているJava変換に加えて、WindowsからLinuxへの移行を支援する.Net変換の提供も予定している。ほかにも、検出困難なクレデンシャルの意図しない公開やログインジェクションといった脆弱性に関するコードスキャン、クラウド環境の最適化、エラーやネットワーク問題の診断や解決、インスタンスの選択、SQLクエリやETLパイプラインの最適化を支援し、アーキテクチャのベストプラクティスに関するガイダンスの提供といった機能を搭載するとともに、AWSアカウントリソースや設定の一覧化によって請求に関する情報や傾向を解析できる機能も新たに追加された。
Amazon Q Businessは、企業システム内のデータや情報に基づいて質問への回答、要約の提供、コンテンツの生成などを実現する生成AIアシスタントであり、データに基づいて効率的に資料を作成可能で、創造性と生産性を高められる。
Wiki、イントラネット、Atlassian、Gmail、Microsoft Exchange、Salesforce、ServiceNow、Slack、Amazon Simple Storage Service(Amazon S3)といった、一般的に使用されている40以上のビジネスツールに簡単かつ安全に接続でき、すべてのデータの検索、論理的な要約、傾向分析、データに関するエンドユーザーとの対話を担ってくれるので、置かれている場所にかかわらず、すべてのデータへのアクセスが可能になる。
あわせて、クラウド向けに構築されたAWSの統合ビジネスインテリジェンス(BI)サービスであるAmazon QuickSightに対して高度な生成AI機能を提供し、自然言語によってBIダッシュボードを短時間で作成して、ビジュアルの作成や複雑な計算を容易に実行できる。また、AIを活用したダッシュボードでのエグゼクティブサマリの取得や、ダッシュボードに表示されていないデータについての質問、重要なインサイト、トレンド、ドライバを強調した詳細でカスタマイズ可能なデータストーリーを作成できるようになる。
そのほか、新機能として自然言語で記述されたアプリを生成するAmazon Q Appsがプレビュー提供されている。
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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