Adobeが提供するAdobe Flash Media Server 3はコンテンツ保護の仕組みを備えており、FLVのコピーやリッピングができないようになっている。
Adobeは4日、都内で同社が発売する動画配信サーバ「Adobe Flash Media Server 3」の説明会を行った。
冒頭、Adobe Systems社長ギャレッド イルグ氏は「世界中でFlashビデオが普及しており、米国ではケーブルTVが積極的にTV番組をブロードバンド配信している」と紹介、今後、電波を利用しないインターネットによるTV番組放送が普及していくだろうと述べた。
ストリーミング配信とコンテンツ暗号化システム
Adobe Flash Media Serverは、こういった動画コンテンツを配信するためのサーバだが、最新版となるバージョン 3では、コンテンツ保護機能を強化している。
1つは「RTMPE」と呼ばれるプロトコルの採用。これはFlash Media Server 2で採用されている独自プロトコル「RTMP」を強化したもので、動画を暗号化し、安全に配信することが可能となる。
また、クライアント側の再生プレイヤーとなるswfに対しても「swf検証機能」が用意され、正当なクライアントかどうかを検証できるようになった。リッピングツールや、改ざんされたホストに配置されたニセのクライアントswfからは、動画そのものを再生することができなくなる。
加えて、Flash Media Serverはストリーミング配信を行うことができる。現在、YouTubeなどで採られている配信方法はダウンロード方式という、クライアントPC内に動画ファイル(FLV)をダウンロードしながら再生するものである。これは視聴が終わったあとも動画ファイルがPC内に残るため、容易に動画をコピーしたり、ユーザーが別動画共有サイトにアップロードしたりすることが可能になってしまう。
一方、ストリーミング方式は動画キャッシュを残さずに再生するため、再生が終わった後も動画データがクライアントPC内に残らない。Flash Media Serverはこういった機能を組み合わせることでコンテンツを保護機能を強化したという。
また、サーバ機能そのもののパフォーマンスも向上している。前バージョンと比較して同時接続ストリーム数は2倍にアップしたほか、弱いとされていたLinux版のパフォーマンスもWindows版と遜色ないものとなった。配信形式もストリーミング、ダウンロード、ライブといったさまざまな方式を利用でき、画質面でも最新のFlash Player 9 update 3を利用することで、H.264コーデックの動画をHD品質で配信できるようになっている。
DoCoMo 905iシリーズのFlash Lite 3は動画再生できず
このFlash Media Server 3のストリーミング機能と、モバイル向けプラットフォームFlash Lite 3を組み合わせることで、ケータイでもFlashビデオを再生することができるようになる。
ただ、Flash Lite 3は先日発売されたDoCoMo 905iシリーズに搭載されているものの、このたび動画再生機能に関してはスペックから削られていることが明かされた。Adobeでは「2008年中には動画再生機能を持ったケータイが登場するのでは」としている。
なお、Flash Media Server 3は「Streaming Server」と「Interactive Server」の2種類が用意されており、価格はそれぞれ135,870円、614,200円となっている。
Adobe Debuts Flash Media Server 3 Product Line
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