ガートナー、アプリケーションとソフトウェアエンジニアリング分野のリーダーに向けてAIとのパートナーシップ構築の必要性を提言

　ガートナージャパンは、6月18日から開催している「ガートナー アプリケーション・イノベーション ＆ ビジネス・ソリューション サミット」のオープニング基調講演において、アプリケーションとソフトウェアエンジニアリング分野のリーダーは、AIとパートナーシップを築いて変革をリードする必要があるとの見解を発表した。

　同社の調査によれば、AIプロジェクトの半分以上は本稼働前に頓挫しているという。一方で、複数のビジネス部門／ビジネスプロセスでAIを適用する組織の割合は、2023年には2021年と比較して2倍に増加したという調査結果も存在しており、2024年末にはさらに倍増が見込まれる。

　AIの導入は拡大し、今後も投資が減ることはないと予想されることから、ビジネス環境の変化に対応すべくアプリケーション／ソフトウェアエンジニアリングリーダーは、AIをツールではなくパートナーと捉え、ともにビジネス価値を創出する必要があると指摘した。

AIとのパートナーシップにおいて押さえておくべきポイント

　AIとのパートナーシップを構築するにあたって、アプリケーション／ソフトウェアエンジニアリングリーダーが押さえておくべきポイントとしては、まず自社に適切なダンスフロア（領域）を見つけて、適切なチームを配置し、チーム力を最大化することが重要であるという。

　続いて、AIとのパートナーシップによるエクスペリエンスの向上に注力することが求められ、自動化と反復的なタスクの実行、コミュニケーションパターンの認識と模倣、膨大なデータを解析して単純な意思決定や予測を行うというAIの長所を理解し、業務のどの部分において大規模データや複雑な計算から得られる洞察が必要なのかを、見極めることが重要であると述べている。

　さらに、イノベーションではルールを曲げることとルールを破ることがカギを握ると指摘するとともに、そのアイデアを追求する価値があるのか、それともやめるべきなのかを、迅速に判断することも重要であると訴えた。