キヤノンITソリューションズは、メインフレームからオープン環境へのマイグレーションツールを拡充した、自社開発による「マイグレーション用オンライン基盤ソフトウェア」の提供を、10月28日に開始した。税別の費用は月額750000円から。
今回、提供が開始されたマイグレーション用オンライン基盤ソフトウェアは、メインフレームのオンライン制御機能(IBM:CICS、IMS、NEC:VISII、富士通:AIM)を代替するプラットフォームで、保守サポートを含むサブスクリプションでの提供によって、顧客システムのモダナイゼーションに向けた取り組みを支援する。
具体的には、オンラインプログラムの多重実行制御や端末IDの管理といった、現行メインフレームのシステム定義に基づく挙動をエミュレートし、従来のインターフェースのままで機能を実装するため、既存の開発スキルの活用や開発生産性を維持できる。また、アプリケーション移行時の変換リスクも最小限に抑えられる。
顧客固有の要望に柔軟かつ迅速に対応できるよう設計しており、パフォーマンスの最適化や拡張性といった、顧客のニーズに合わせたカスタマイズが可能となっている。
さらに、従来の端末エミュレータの操作性を再現できるので、エンドユーザーに対して移行後の操作説明といった対応が必要なく、移行後の教育工数の削減につながる。
本番環境への移行後も、同社が提供する保守サービスなどを通じて、最新OSへの対応といったシステム運用をサポートする。
なお、マイグレーションツールの機能拡充では、富士通がメインフレームの販売およびサポート終了を発表したことを受けて、富士通のメインフレームからオープンシステムへのマイグレーションを選択する顧客が増えていることから、これまで提供してきた富士通MSP版マイグレーションツールの機能を拡充し、AIM(Advanced Information Manager)に関連するプログラム変換ツール、画面定義変換ツールといった、オンライン系マイグレーションツールの網羅性を拡大して、短納期、高品質なマイグレーションの提供を行う。
富士通MSP版マイグレーションツールは、富士通COBOLのデータベースとオンラインインターフェース部分を、オープン環境でのCOBOL製品へ変換するツールや、富士通COBOLのデータベースアクセス命令や条件などをパターン解析して、オープン環境のデータベースを活用可能なアクセスモジュールを生成する機能、メインフレーム向けのデータベース抽出プログラム、オープン環境でのデータベース定義(DDL)、データロードスクリプトを生成するデータベース移行ツール、富士通画面定義(PSAM)を、マイグレーション用オンライン基盤ソフトウェアの画面定義(XML)へ変換するツール、マイグレーション用オンライン基盤ソフトウェアの画面定義を、専用画面によってメンテナンスするツールを備えている。
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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