GitHubは、10月29日(米国時間)に米国サンフランシスコで開催された年次カンファレンス「GitHub Universe 2024」の基調講演において、自然言語による指示のみでアプリを構築できる新ツール「GitHub Spark」を発表した。また、コードの記述を支援するAIペアプログラマ「GitHub Copilot」が、複数のAIモデルに対応するマルチモデル機能を追加。主要3社であるAnthropic、Google、OpenAIの最新AIモデルから自由に選択可能となった。そのほか「GitHub Copilot」に関連した機能強化も図られた。なお、「GitHub Universe」は今年で開催10周年となる。
「皆さんの手に届く日が待ち遠しくてならない。GitHub Sparkによって、10億人もの人たちとGitHubで一緒にソフトウェアを構築できる世界の実現可能性が、かつてないほど高まっている」と話すのは、初日のKeynoteに登壇したGitHub CEOのThomas Dohmke氏。
GitHubは米国時間の10月29日、新たなAIツール「GitHub Spark」を発表した。「GitHub Spark」は、ユーザーが自然言語で指示をすることでアプリケーションを構築できる機能を持つ。これにより、プログラミング経験のない一般ユーザーでも、手軽にアプリを作成することが可能となる。開発者はリアルタイムでのプレビューやバージョン管理も行えるため、効率的な開発環境を享受できる。現時点では、テクニカルプレビューとして提供されている。
また、コードの記述を支援するAIペアプログラマ「GitHub Copilot」はOpenAIの「GPT-4o」に加えてAnthropic、GoogleのAIモデルに対応するマルチモデル化を発表した。これにより、開発者はプロジェクトのニーズに応じて最適なAIモデルを選択できる。Anthropicの「Claude 3.5 Sonnet」はすでに利用可能で、Googleの「Gemini 1.5 Pro」も近日中にリリース予定だ。
さらに、GitHubはプラットフォーム全体でAI機能の強化を図っている。11月1日(米国時間)からはVisual Studio Codeでの複数ファイルの同時編集が可能になり、2025年初頭には開発者向け主要ツールと連携可能な「GitHub Copilot Extensions」が一般提供される予定。また、Windows TerminalやXcodeといったツールとも連携。さらに、AIによるコードレビュー機能や、セキュリティ機能「Copilot Autofix」を用いた脆弱性修正をアップデートした。
最後に、同社が発表した年次レポート「Octoverse 2024」によると、GitHubでの開発言語としてPythonが初めてJavaScriptを上回り、最も使用される言語となった。AI関連の開発プロジェクトも前年比98%増と急増しており、特にインド、ドイツ、日本、シンガポールなどでの活動が目立つという。
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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