VS Codeチームは5月19日(現地時間)、AIを活用した開発体験の強化を目指し、「GitHub Copilot Chat」拡張機能のコードをMITライセンスのもとでオープンソース化する方針を明らかにした。同時に、この拡張機能に関連する主要なコンポーネントをVS Code本体に段階的に統合する計画である。
この決定の背景には、ここ数カ月でAI開発分野における大きな進展がある。大規模言語モデルは著しく高度化し、従来必要だった独自のプロンプト戦略の重要性が低下している。また、AIとのやり取りに関するユーザーエクスペリエンスは多様なエディタ間で一般的になりつつあり、共通のUI要素を安定したオープンなコードベースで、コミュニティが自由に発展させられる環境作りが望まれていた。
さらに、VS Code拡張やAIツールのオープンソースエコシステムが成熟しつつある中で、拡張機能開発者が容易にビルド、デバッグ、テストを行える体制が求められる一方、Copilot Chat拡張のソースコードが公開されていないため、実現が難しいという課題もあった。また、AI搭載エディタの利用時に収集されるデータへの懸念も高まっており、ソースコードのオープン化は透明性向上にもつながる。
マルウェアなどがAI開発者ツールを標的とする例も増えており、オープンソースコミュニティの協力がセキュリティ向上にも寄与するとVS Codeチームは説明する。
今後数週間で拡張機能のコード公開と、本体へのAI機能統合作業を進める。さらに、AI機能やプロンプトのテストが容易に可能となるよう、プロンプトテスト用インフラもオープンソース化される予定。
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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