Microsoftは5月22日(現地時間)、「TypeScript Native Previews」の一般提供を開始した。Go言語によるネイティブコンパイルと並列処理の最適化により、従来に比べて10倍の高速化を実現。現在はnpmパッケージとVisual Studio Code(以下、VS Code)拡張機能で利用可能となっており、将来的にTypeScript 7として統合予定。
MicrosoftのTypeScriptチームは、TypeScriptコンパイラとツールセットをGo言語に移植した「TypeScript Native Previews」の一般提供を開始した。今年3月に移植の取り組みを発表していたが、今回npmパッケージとVS Code拡張機能を通じて利用可能となった。
この移植により多くのプロジェクトで10倍の高速化を実現している。高速化の要因はGo言語によるネイティブコンパイルと共有メモリ並列処理の活用によるもの。
新しいコンパイラはnpmから「@typescript/native-preview」パッケージとしてインストールできる。「tsgo」という新しいコマンドが従来の「tsc」と同様に動作し、将来的には「tsc」に統一される予定。VS Code向けには「TypeScript (Native Preview)」拡張機能も提供されている。
新機能としてJSXとJavaScriptファイルの型チェック機能が強化された。従来は対応が限定的だったJSXファイルでも高速な型チェックが可能になり、Reactなどを使用したプロジェクトでの開発効率が向上する。エディタ機能では基本的な診断やコード補完が動作している。
一方、現在のプレビュー版では一部の機能が未実装となっている。プロジェクト間の依存関係を扱う機能や型定義ファイルの出力、一部のエディタ機能などは今後のアップデートで対応される。なお、プレビュー版は将来的にTypeScript 7として正式リリースされる予定。
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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