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Cognition AI Japan、「Devin」日本語版リリースとAI開発成果の工数換算保証制度を発表

 Cognition AI Japan合同会社は2026年6月24日、メディア・アナリスト向けに2026年度事業戦略説明会を開催した。日本法人社長兼ゼネラルマネージャーの正井拓己氏が登壇し、自律型AIソフトウェアエンジニア「Devin Cloud」の日本語版リリースや、AI投資の成果を保証する「AI Productivity Guarantee」プログラム、国内エンタープライズ顧客の事例などを紹介した。

AI駆動型開発の急拡大、Devinのセッション起動数が年初から10倍以上に

 正井氏は冒頭、「これからのソフトウェア開発において、AIを使わないという選択肢はない時代になった」と述べ、AI駆動型開発が急速に普及している背景を説明した。Cognitionの主力製品Devinのユーザーによるセッション起動数は、2026年の年初から約10倍以上に増加しているという。ソフトウェア開発エージェントの存在がAIのファウンデーションモデル全体の戦略に影響を与えるまでになっており、エンタープライズ領域でのAI導入が進む企業が自らITのあり方を変革しようとしていることも、この流れに拍車をかけているとした。

Cognition AI Japan合同会社 日本法人社長兼ゼネラルマネージャー 正井拓己氏
Cognition AI Japan合同会社 日本法人社長兼ゼネラルマネージャー 正井拓己氏

 Cognitionは2023年末に設立された米国のAIスタートアップで、世界初の自律型AIソフトウェアエンジニア「Devin」を2024年3月にリリースした。現在の社員数は約350名、2026年5月の資金調達で企業評価額は4兆円を超え、年間売上高は約800億円近くに達している。

「ペアプログラマー」か「自律的なエンジニア」か——Devinの位置づけ

 正井氏はAI開発ツールの進化を3段階で整理した。第1段階はタブ補完によるコード自動入力、第2段階は開発者とのインタラクションで作業を支援するエージェント型IDEだ。そして第3段階として、Devinは「自律型エージェント」に位置する。エージェント型のIDEが「優秀なペアプログラマー」であるとすれば、Devinは「自律的に動く独立したソフトウェアエンジニア」であり、クラウド環境で非同期・並列処理によって開発生産性を制限なくスケールさせられる点が最大の特徴だと説明した。

Cognition Platform全体像:Devin Cloud/Devin Desktop/Devin CLIの3製品構成
Cognition Platform全体像:Devin Cloud/Devin Desktop/Devin CLIの3製品構成

 Cognitionは昨年、IDE型エージェントで知られるWindsurfを買収し、「Devin Cloud(自律型エージェント)」「Devin Desktop(IDE型エージェント)」「Devin CLI(ターミナル型エージェント)」を1つのプラットフォームに統合している。また、既存コードベースをドキュメント化する「DeepWiki」、コードベースへの質問や計画策定を支援する「Ask Devin」、コードレビューを自動化する「Devin Review」、インシデントをトリガーに自動修正を行う「Automation」など、ソフトウェア開発ライフサイクル全体をカバーする機能群も備える。AIモデルはタスクごとに最適なものを自動選択するモデルルーティング機能を持ち、特定のベンダーへの依存を避ける設計となっている。

SDLCを支えるDevinの機能:DeepWiki/Ask Devin/Sessions/E2E Test/Devin Review/Automationの6機能
SDLCを支えるDevinの機能:DeepWiki/Ask Devin/Sessions/E2E Test/Devin Review/Automationの6機能

Devin日本語版リリース、AI評価を「工数換算」で問い直す新制度も

 今回の説明会における主な新発表の1つが、Devin Cloudの日本語版リリースだ。従来も一部の機能で日本語が使えたが、今回の対応でインターフェース全体と各機能の応答が日本語で利用できるようになった。設定メニューから「日本語」を選択するだけで切り替えられる。あわせて、日本語版Webサイトも同日公開し、日本語での情報発信や国内導入事例の掲載を始めた。

日本語版Devin Cloudの画面:Sessions/Ask/Automations/Review/Wikiのメニュー構成
日本語版Devin Cloudの画面:Sessions/Ask/Automations/Review/Wikiのメニュー構成

 一方、今回の説明会で注目されたもう一つの発表が、AI開発成果の保証制度だ。「AIの評価指標を、トークン数や生成コード量ではなく業務成果で測るべきだ」と正井氏は語った。6月4日に発表した「AI Productivity Guarantee」プログラムでは、Devinが創出した開発成果を人間の工数に換算して測定し、その価値が利用料金を下回った場合にクレジットを保証する。

AI Productivity Guarantee:成果を工数換算で測定し、価値が利用料金を下回った場合にクレジットを保証
AI Productivity Guarantee:成果を工数換算で測定し、価値が利用料金を下回った場合にクレジットを保証

みずほ証券で工数50〜70%削減、国内月間PR数は約1万2,000件

 国内の導入実績として正井氏が紹介した事例の1つが、みずほ証券だ。ULSコンサルティングの支援のもとDevinを本格導入し、開発部門約130名・85を超えるプロジェクトで活用。タスク単位の工数削減効果は50〜70%(最大90%)を確認しており、保守・追加開発工数の約15%を占める影響調査の工程でもDevinが貢献しているという。

 DeNAでは全社約3,000名の社員がDevinを利用しており、半年想定だったレガシーシステムのモダナイゼーションを約1カ月で完了して約6倍の効率化を実現した。公共領域では、札幌総合情報センター(SNET)が札幌市基幹システムの標準化プロジェクトでテストコード改修工数を約200人月から50人月に圧縮(約75%削減)。ワークスアプリケーションズでは直近の開発スプリントでコード変更行数の35%以上がDevin由来となり、コードレビュー時間も約50%削減されている。

 国内のDevinによる月間PR作成数は約1万2,000件に上り、昨年5月との比較ではユーザー数が1,582%増、エンタープライズライセンスの契約企業数が140%増、利用量が1,588%増となっている。2026年の重点施策として、金融・製造・通信・テック企業向けのエンタープライズライセンス拡販、日本法人体制の整備、Devin国内ユーザーコミュニティの設立を挙げた。「Devinとともに、日本のソフトウェアエンジニアリングを変革する。これは理想ではなく、現実的な目標だ」と正井氏は締めくくった。

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