完成図
はじめに
Eclipse RCPの有名なケーススタディアプリケーションとして、NASAの火星探査機をマニュピレーションするMaestroが挙げられます。このMaestroの開発チームの一員であるJeff Norris氏はEclipse RCPの採用の理由を次のように述べています。
「Maestroは簡単に使えるようにヘルプシステムや、今何を実行しているのかをユーザーに示す進捗表示、そしてユーザーが見た目や配置を自由にカスタマイズできる仕組みを搭載する必要があった。そして、ドラッグ&ドロップ、コピー&ペースト、アンドゥ&リドゥを実現する必要があった。これらの要件を実現するのにEclipse RCPはとてもうまく行った。そして、大きな拡張性をも手に入れることができた」(抜粋、かつ意訳)
今回は、Eclipse RCPを使ってヘルプの搭載や進捗表示、そして、デフォルトで用意されている数々のアクションを前回のViewCVS専用ブラウザに追加していきます。
対象読者
- Eclipse RCPに興味がある/作成したことがある
- Eclipseプラグイン作成に興味がある/作成したことがある
- SWT/Swingアプリケーションに興味がある/作成したことがある
必要な環境
本稿の開発にはEclipse SDK 3.1.2を利用します。また、ランタイムの実行や、ソースのコンパイルにはJ2SE 5.0が必要になります。
サンプルコードの説明
今回のRCPのサンプルコードとして次のものを用意しました。本稿と併せて参照してください。
RCP名 | 説明 |
rcp.with.progress | ジョブフレームワークと進捗ビューを利用してユーザーに進捗を表示するサンプルプログラム。 |
rcp.with.contextHelp | Eclipseヘルプシステムを利用して、コンテキスト・ヘルプを表示するサンプルプログラム。 |
rcp.with.action | ActionFactoryとContributeItemFactoryを利用してアクションの再利用を行ったサンプルプログラム。 |
jp.sf.erep.viewcvs | 前回のViewCVS専用ブラウザに進捗表示機能を追加したサンプルプログラム。 |
前回作成したViewCVS専用ブラウザに進捗表示を行うように機能追加を行いました。また、使いやすくするために簡単なヘルプ機能も搭載させました。今回はこれら機能追加の方法を具体的に説明します。