Compiere(コンピエール) ― ERPシステム
ERP(Enterprise Resource Planning)システムは、企業全体の主なビジネスプロセスを統合し、すべての部門にわたって一貫性のあるデータ管理を行うシステムで、一般的には生産、在庫管理、販売、調達、人事、財務会計などの分野を扱います。従来、ERPパッケージは、商用のパッケージソフトウェアが主流で、大企業以外にはなかなか手が出せないものでした。Compiereは、オープンソースのERPパッケージとして公開されています。オープンソースで提供されていることにより、今までなかなか手を出せなかったユーザもERPを試すことができます。
Compiereは、米国Compiere社が中心となって開発を進めていて、その中の基本的な機能は、オープンソースソフトウェアとして公開されています。
オープンソース版のCompiereは、Compiere Community Editionと呼ばれ、日本語化されたものは、Compiere-JapanのWebページから入手することができます(ただし、完全に日本語化する場合は日本語翻訳ファイルを別途Compiere-Japanサイトのネットショップより購入しなければならない)。
Compiereは様々な機能を持っていますが、ここではCompiere Community Editionが持つ代表的な機能を紹介します。
- 顧客管理:
- 販売管理:
- 仕入購買管理:
- 在庫管理:
- 財務管理:
- 実績管理:
- プロジェクト管理:
取引先や与信情報、問い合わせ・クレームの対応を管理し、支払催促などを行うことができます。
見積もり、受注、出荷・納品、請求書発行、入金、返品を行います。
社内購買部門向けの見積もり要求、見積もり依頼、発注、入荷・検収、請求書照合、支払い、仕入れ返品を行います。
入出荷、在庫移動、棚卸、在庫補充、製品組み立て/解体、保証期限管理を行います。
仕訳要録、経費精算、預貯金出納帳管理、現金出納帳管理、小切手・手形管理、原価評価計算、決算処理を行います。
総勘定元帳、自動仕分け計上、会計スキーマ、会計ディメンジョン、会計諸表の定義、会計諸表の作成、税務処理、予算管理、予算実績対比分析を行います。また、これらをダッシュボードとして並べて表示できます。
サービスの提供とともに関連付けたプロジェクト、タスクなどを定義、管理します。
Compiereが提供する機能はERPに関連する機能が中心ですが、顧客管理など一部CRMの機能も提供します。
Compiereは、Javaで記述されて、JavaEEアプリケーションサーバ上で動作します。そのため、Java 5もしくはJava 6がインストールされている必要があります。アプリケーションサーバは、JBossを利用しますが、こちらはCompiereのパッケージに含まれていますので、別途インストールする必要がありません。
データベースは、OracleとEnterprise DBをサポートしています。
Compiereのコミュニティ
Compiereでは、SourceForge上でフォーラムを提供していますので、ここを利用して製品に関する議論に加わることもできます。また、Wikiも公開されていますので、ここからCompiereに関するドキュメントを参照することができます。
Compiereに関する日本語の情報は、以下のサイトにまとめられています。このサイトから日本語のドキュメントを参照・購入することができます。