はじめに
前回の記事では、PowerShell ISEの基本的な操作方法について説明しました。今回はPowerShell ISEをカスタマイズし、自分好みの環境を構築する方法について説明します。
対象読者
- PowerShellについて知識を有する方
- PowerShell ISEを使いこなしたい方
必要な環境
- Windows PowerShell ISE(RC版も可)
プロファイルを作ろう
プロファイルとは、PowerShell ISEにおけるスタートアップファイルのようなものです。PowerShell 2.0ではコンソール版PowerShellとPowerShell ISE用のプロファイルはそれぞれ別のものとして扱われます。コンソール版のプロファイルについては『Windows PowerShell 入門(7)-関数編2を参照してください
プロファイルを作成しておくと、PowerShell ISEに対して必要な設定を自動で行うことができます。
プロファイル自身は拡張子が *.ps1 のスクリプトファイルであり、どのユーザー用に作成するかでプロファイルの保存場所が異なります(表1)。
ユーザー | プロファイルのパス | 環境変数 |
Current User, Current Host | C:\Documents and Settings\ユーザー\My Documents\WindowsPowerShell\Microsoft.PowerShell_profile.ps1 |
$Profile または $Profile.CurrentUserCurrentHost |
Current User, All Host | C:\Documents and Settings\ユーザー\My Documents\WindowsPowerShell\profile.ps1 | $Profile.CurrentUserAllHosts |
All Users, Current Host | C:\WINDOWS\system32\WindowsPowerShell\v1.0\Microsoft.PowerShell_profile.ps1 | $Profile.AllUsersCurrentHost |
All Users, All host | C:\WINDOWS\system32\WindowsPowerShell\v1.0\profile.ps1 | $Profile.AllUsersAllHosts |
それでは実際にプロファイルを作成してみましょう。
最初にTest-Path
コマンドレットでプロファイルの存在を確認し、存在しない場合はNew-Item
コマンドレットで新規で作成します。
If (!(Test-Path $profile)) { New-Item -Type file -Path $Profile -force }
ここで、1つTipsを紹介します。
次に示すコードを実行すると、任意のスクリプトファイルをPowerShell ISEのスクリプトペインで開くことができます。
#PowerShell ISE内にプロファイルを開く $psIse.CurrentPowerShellTab.Files.Add("開きたいスクリプトファイルのパス")
フォントを変更してみよう
PowerShell ISEのメニューのどこを探してもフォントを変更する項目が見つかりません。しかし、$psISE.Options.FontName
プロパティを使用することで、フォントを変更することが可能です。
例えば、メイリオフォントを使用したい場合は「Meiryo」を指定します。「メイリオ」と日本語で指定しても反映されませんので注意してください。
#メイリオフォントに変更する $psISE.Options.FontName = "Meiryo"
次にフォントサイズを変更してみましょう。フォントサイズは $psISE.Options.FontSize
プロパティを使用します。
#メイリオフォントに変更する $psISE.Options.FontSize = 20
フォントもフォントサイズも、設定した値は次回起動時には反映されません。そこで、先ほど作っておいたプロファイルへ登録しておくことで、フォントの設定内容を毎回反映させることが可能になります。
次のコードは、フォント名「Meiryo」、フォントサイズ「20pt」の設定をプロファイルに設定した例です(先ほど説明したコードを記述するだけです)。
$psISE.Options.FontName = "Meiryo" $psISE.Options.FontSize = 20