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Java EE 6 開発入門

JAX-RSを使ったWebサービスの作成

Java EE 6 開発入門(8)


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ダウンロード サンプルファイル (20.4 KB)
ダウンロード SampleApp7.zip (20.5 KB)

 本連載は、Java Enterprise Edition 6(Java EE 6)の導入方法をはじめとして、新導入された仕様や概念を紹介していきます。今回はNetBeans IDEを使い、JAX-RSを使ったWebサービスを作成する手順を紹介します。

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対象読者

  • Java EE開発に興味ある方
  • これからJavaのWebアプリケーション開発をはじめる方

必要な環境

 動作環境は以下のとおりです。

  • Java EE 6 / Java EE 7
  • NetBeans IDE 7.3 / 7.3.1

本サンプルはJavaEE6とJavaEE7での動作確認済みです。

JavaEE7の環境はGlassFish4.0で動作確認を行なっています。JavaEE7用のプロジェクトファイルはSampleApp7.zipです。

 

JAX-RSとは

 JAX-RSとはREST(※1)アーキテクチャに則って、JavaでWebサービスを提供する仕様で、JSR-311(※2)で定義されています。また、RESTに従ったシステムをRESTfulと呼び、今回紹介するJAX-RSはRESTのルールに従っています。NetBeans7.3はJAX-RSのWebサービスを簡単に作成できます。Webサービスを最小限の設定内容で構築できますので、簡単かつ非常に扱いやすい仕組みです。

※1

 RESTはRepresentational State Transferの略称。

※2

 Java Specification Requestsの略。Javaプラットフォームに追加される提案仕様や技術を記述した公式文書とその番号。

RESTfulとJAX-RS

 Java EE6では、RESTfulアプリケーションを次のように説明しています。

  • (a)リソースの要求をURIのパスで定義
  • (b)リソースの操作方法を4つのHTTPメソッドで定義
  • (c)取得したリソースはそのデータフォーマットも定義
  • (d)ステートフルなハイパーリンクである

 まずはこれらの定義を解説します。

(a)リソースの要求をURIのパスで定義する

 これはアプリケーションに要求するHTTPリクエストのURIがもつ構造に関する定義です。全てのリソースの要求はHTTPリクエストで行われ、要求するサービスやパラメータも全てパスで一意に定義されます。例えばユーザー情報検索のサービスがuserinfoで定義され、取得するユーザー情報1件をユーザーIDで指定する場合は、次のようなURIになります。

  • http://(ドメイン名)/(コンテキスト)/userinfo/(ユーザーID)

 RESTに従うアプリケーションではURIでリソースを定義します。JAX-RSではこのリソース定義に対しアノテーションで設定可能です。詳細については後述する「JAX-RSアプリケーションの作成と動作確認」と「リソース取得とパス定義」で説明します。

またリソースに対して読み込みや書き込みなどの操作はHTTPメソッドを使って行います。

 
(b)リソースの操作方法を4つのHTTPメソッドで定義

 リソースの操作をHTTPメソッドを利用して定義します。URIが同一であってもHTTPメソッドによって読み込みや書き込みなど、操作を切り替えます。Java EE6のJAX-RSでは次のように定義しています。

表1 HTTPメソッドと操作内容
HTTPメソッド リソースの操作内容
PUT 追加
GET 取得
POST 更新
DELETE 削除

 JAX-RSではこれらのHTTPメソッドに対応したJavaクラスの定義を、アノテーション1つで設定可能です。詳細については後述する「JAX-RSアプリケーションの作成と動作確認」で説明します。

(c)取得したリソースはそのデータフォーマットも定義

 リソースの要求から得られるデータ形式はHTMLやXML以外にも、JSON、通常テキスト、PDFなど、データのフォーマットも存在します。JAX-RSではこれらのデータ形式を宣言するアノテーションが用意されており、データに対してフォーマットを定義する仕組みが用意されています。

(d)ステートフルなハイパーリンクであること

 RESTではリソースの定義は状態を持たないステートレスな状態であり、すべての状態をURIに含めなければならないと定義しています。このため、URIにすべての情報を含んでいないステートフルな状態はRESTに反しています。ステートフルとは、具体的にはURIリライティングやクッキー情報、送信フォームの隠しパラメータなど、リクエストするURL以外に状態を保持する仕組みを使った従来のWebアプリケーションがよく行っている手法のことです。

 今回は特に(a)(c)について解説します。

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この記事の著者

山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)

静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for Visual Studio and Development Technologies。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。主な著書に「独習シリーズ(Java・C#・Python・PHP・Ruby・JSP&サーブレットなど)」「速習シリーズ(ASP.NET Core・Vue.js・React・TypeScript・ECMAScript、Laravelなど)」「改訂3版JavaScript本格入門」「これからはじめるReact実践入門」「はじめてのAndroidアプリ開発 Kotlin編 」他、著書多数

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

WINGSプロジェクト 東 浩二(アズマ コウジ)

WINGSプロジェクトについて>有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛)。主にWeb開発分野の書籍/記事執筆、翻訳、講演等を幅広く手がける。2018年11月時点での登録メンバは55名で、現在も執筆メンバを募集中。興味のある方は、どしどし応募頂きたい。著書記事多数。 RSS X: @WingsPro_info(公式)、@WingsPro_info/wings(メンバーリスト) Facebook

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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