クリエーションライン、インディゴ、ユー・シー・エルの3社は、中国の西安交通大学(陝西省西安市)における動画解析サービスの開発、検証環境として、CloudStack上でHadoopやHPCを動作させる環境を構築し、共同で研究を実施したことを10日に発表した。
3社は2012年12月に発表した、中国における協業ビジネスの一環として、陝西省公認プロジェクト(国家公認プロジェクト)として西北工業大学内にクラウドコンピューティングの共同研究のための実験室(研究所)を開設している。
今回、同じ陝西省のIT技術研究に積極的な西安交通大学で、「千人教授」と呼ばれる国家より正式に認定された中国で最も優れた1000人の教授のうちの1人である、人工知能与机売器研究所の龚怡宏(Yihong Gong)教授のもと、画像解析およびその基盤技術の共同研究を行い、クリエーションラインとインディゴ、ユー・シー・エルの3社にて、CloudStackによるクラウド環境を構築・提供した。
西安交通大学の、MPEG2からMPEG4への変換処理の高速化や、監視カメラなどの動画解析の高速化について、HadoopとHPCの環境で検証したいという要望と、研究フェーズにあわせて柔軟に構築可能なインフラへのニーズに応えるために、クリエーションラインとインディゴが大規模データの分散処理フレームワークであるHadoopとHPC用の分散処理ミドルウェアを動かせるクラウド環境の構築を行った。
通常であれば、Hadoop用、HPC用にそれぞれ別の物理的な環境を用意しなければならないが、HadoopとHPC用の分散処理ミドルウェアを動かせるクラウド環境なら、オンデマンドでHadoopのインスタンスや、HPCのインスタンスを即座に提供できる。また、柔軟な拡張・縮小にも対応する。
さらに、Chefの機能を搭載しているため、指定した構成のノードの複製・追加を可能にする。画像の保存にはGlusterFS(グラスターエフエス)という分散ファイルシステムを使用している。
西安交通大学にて、実際に画像解析処理を実施した結果、並列処理による処理時間の短縮と、クライアント側で行っていた作業のクラウド環境への集約によるリソース共有と効率化を実現できた。
なお、3社はフェーズ2として、引き続きユーザインターフェースの強化やChefによるさらなる自動化、セキュリティ強化などをテーマに、共同研究を進めていく。
【関連リンク】
・クリエーションライン
・インディゴ
・ユー・シー・エル
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