より良いプロダクトを作るためにエンジニアはどのようにデザインに関わるべきか
株式会社グッドパッチ 執行役員CTOのひらいさだあき氏は、エンジニアの立場からデザインにどう関わるかについて語った。
グッドパッチでは、過去のプロジェクトの良かった点と悪かった点を分析し、デザインプロセスとしてまとめている。案件が始まった直後では、「偉大なプロダクトは偉大なチームから生まれる」との言葉に倣い、キックオフなどを行ってメンバー間で信頼関係を築き、相互に話し合える関係を作る(GOOD PEOPLE)。ファーストリリースまではプロトタイピングにより検証や改善を繰り返しながら、デザイン・実装を行う(GOOD PROTOTYPES)。そして、ファーストリリース後は、APIの計測などを行い、ぎりぎりまでプロダクトの見直し、品質の向上に取り組む(GOOD PRODUCTS)。
このようなプロセスを踏むのは、より良いプロダクトを作りたいからだ。エンジニアが要件定義や設計から関わらなければ良いデザインやプロダクトを作れないと、ひらい氏は感じている。たとえば、iOSでは会員登録機能がリジェクトの対象になり得るし、プッシュ通知などの機能はiOSとAndroidで異なる。こうした基本部分の設計に、技術に詳しいエンジニアをプロジェクトの早い段階から関わらせたい。
グッドパッチでは、そのために、エンジニアのプロジェクトへの関わり方を見直している。たとえば、Androidデベロッパーがマテリアルデザインのアドバイザーとしてプロジェクトに参加して最適なコンポーネントの提案、実装の確認などを行ったり、iOSデベロッパーがUXデザイナーとしてアプリの実装方法やサービスの強みを活かすアプローチの提案などを行ったりしている。Androidのマテリアルデザイン、iOSのヒューマンインターフェイスガイドラインを含め、OSの原理や仕組みは、実装の経験がないと正しい理解や活用が難しいからだ。
Webアプリに関してはProgressive Web AppsやWebコンポーネントに注目しているという。特に、Googleが提唱するProgressive Web Appsはネイティブアプリに近い先進的なWebアプリを指し、「オフラインでも動作」「プッシュ通知に対応」「インストール可能」といった特徴がある。
今後、Webアプリがネイティブアプリに近づいていくと、サービスのデザインも変わってくるだろう。Webアプリかネイティブアプリかの判断に始まり、インストールやプッシュ通知の設計、オフライン対応、コンポーネントの活用などが必要になる。ひらい氏は、デザインおよび実装を行うためのプロトタイピングをしっかりと回していくために、デザインと技術をつなげていきたいと語る。
HTTPが世に出た1991年には、Webデザイナーという職業は存在しなかった。その後、HTMLやiOS、Androidなどのさまざまな技術によって領域が広がり、デザインによって洗練され、より身近に使いやすいものになっていった。デザインを実現するためには技術が必要だが、高い技術力を持つだけでなく、その技術をいかにデザインに活かすかが重要と話を終えた。
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今回のイベントでは、募集数に対して約8倍の応募があったという。デザイナーだけでなくエンジニアの参加者も多く、どちらにとっても関心の高いテーマであったことがうかがえる。デザイナーとエンジニアの役割がより近づいていくのは必至。良いプロダクトを作るためには、お互いが異なる領域にどう関わるかを考え、効率的に協働していくことが求められるだろう。
