エンバカデロ・テクノロジーズは、クロスプラットフォームネイティブアプリ開発が可能な統合開発環境「RAD Studio」の新バージョン「RAD Studio 10.2 Tokyo」を3月28日より出荷開始する。
「RAD Studio」は、クラウドサービスや主要なデータベース、広範なIoTデバイスとの接続性を提供するクロスプラットフォームネイティブアプリケーションの統合開発環境。Windows 10対応のアプリケーション構築をサポートするVCLコントロールを搭載し、Windows、Mac、モバイル向けクロス開発を可能にするFireMonkeyフレームワークがコンポーネントによるビジュアル開発を実現する。開発にはDelphiとC++、2つの言語が使用できる。
RAD Studioのバージョンには世界の都市名が入るが、今回発売される最新バージョンは「Tokyo」となっている。3月15日には世界各国に先駆け、東京ミッドタウン・カンファレンスで本製品の発表会が行われた。
発表会には米国本社より来日した、デベロッパーエヴァンジェリストのジム・マッキース氏が登壇。新バージョンの目玉である、Linuxサーバー向けネイティブアプリ開発機能のデモンストレーションを行った。
Linuxプラットフォームでのサーバーサイドアプリケーションが構築可能に
RAD Studio 10.2 Tokyoではサーバーサイドアプリケーションについて、WindowsとLinuxのクロス開発が可能となった。これにより、Windows向けに構築したサーバーアプリケーションを、ターゲットの切り替えだけで簡単にLinux向けに構築できるようになる。デモンストレーションの中でも同じソースコードを使用して、WindowsサーバーとLinuxサーバーそれぞれで動作するアプリケーションが作成された。
10.2 Tokyoでは他にも以下の機能が追加されている。
モバイルとバックエンドシステムの接続をサポートするRAD Serverを強化
モバイルとバックエンドシステムを接続する中間サーバー機能の構築を容易に行うことができる、「RAD Server」が強化された。また、単一のサーバー内で複数の組織向けにサービスを提供できるマルチテナント機能を搭載した。
Windowsアプリケーション、マルチデバイスアプリケーション開発を強力にサポート
Windowsストアアプリの開発サポートなど、Windows 10に対応した数多くの機能強化、機能改善が行われた。また、macOS Sierra 10.12、iOS 10、Android 7.0 Nougatなど、最新のOSバージョンに対応したマルチデバイス開発を行うことができる。
発表会ではジム・マッキース氏のデモンストレーションの他、エンバカデロ・テクノロジーズ セールスコンサルタント 井之上和弘氏によるiOSアプリケーションとRAD Serverの連携についてのデモンストレーション、エンバカデロ・テクノロジーズ 日本法人代表 藤井等氏によるRAD Studioの販売戦略についての説明も行われた。
Rad Studio 10.2 TokyoではDelphi/C++の2つの言語が利用できるが、単一言語のみに対応している「Delphi 10.2 Tokyo」と「C++Builder 10.2 Tokyo」も併せて販売される。いずれの製品も、目的別に「Professional」「Enterprise」「Architect」といった、複数のエディションが用意されている。製品価格(いずれも税抜き)は以下の通り。
- RAD Studio Professional(保守1年付き):31万2000円
- RAD Studio Enterprise(保守1年付き):51万6000円
- RAD Studio Architect(保守1年付き):77万4000円
- Delphi Professional(保守1年付き):17万6000円
- Delphi Enterprise(保守1年付き):42万9000円
- Delphi Architect(保守1年付き):68万7000円
- C++Builder Professional(保守1年付き):17万6000円
- C++Builder Enterprise(保守1年付き):42万9000円
- C++Builder Architect(保守1年付き):68万7000円
RAD Serverの開発ライセンスは、RAD Studio/Delphi/C++BuilderのEnterpriseエディション以上に含まれる。
また、現在販売中のRAD Studio/Delphi/C++Builder 10.1 Berlinを購入している場合、アップデートサブスクリプション(年間保守)により、10.2 Tokyoがダウンロードで提供される。
なお、今回のRAD Studio 10.2 Tokyoの発表に合わせて、「次期バージョンまで待てないキャンペーン」が3月27日まで実施中だ。このキャンペーンは、対象のショップでRAD Studio/Delphi/C++Builder 10.1 Berlinを、10%~15%OFFの特別価格にて購入できるというもの。翔泳社 SEshopもキャンペーン対象に含まれている。
【関連リンク】
・エンバカデロ・テクノロジーズ
・RAD Studio
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