Tablixコントロールとは
ActiveReports for .NET 9.0Jまでは、クロス集計表の作成のためのコントロールとして、Matrixコントロールが存在しました。今回紹介するTablixコントロールは、このMatrixコントロールの機能を引き継ぎつつ、Tableコントロールの機能も融合した、一覧表や集計表などの柔軟なレイアウトが実現できるコントロールです。
Tablixコントロールの利用した帳票は、製品サンプルに含まれる「レポートギャラリーサンプル」で 確認することができます。
以下の画像はサンプルに含まれる帳票のうちの1つです。これは一見TextBoxを1つずつ並べて配置して作成したかのように見えますが、実は1つのTablixコントロールからできています。

グループ化されていない行・列を複数追加し、それらを必要に応じてセル結合することで表現しています。1つのコントロールなので、プレビューしたり、Excelなどにエクスポートしたりした時も、セルがずれることなくきれいに整列されます。
Tablixコントロールで追加された機能
Tablixコントロールと従来のMatrixコントロールを比較すると、Tablixコントロールでは新たに以下のようなことができるようになっています。
集計セルの書式を個別に設定可能
従来のMatrixコントロールでは、集計用のセルが1つだけしか定義できませんでしたが、Tablixコントロールではぞれぞれの行・列で集計用のセルを定義することができます。例えば、小計値は通常の書式にして、合計値のみ太字にしたりフォント色を変えたりすることができます。

集計列・行をデータ行・列の前に設定できる
従来のMatrixコントロールでは、合計値の表示は必ず各データ行・列の後になりましたが、Tablixコントロールでは、合計の計算用のセルの挿入位置を各データ行・列の前にするか後にするかを選択できます。

行ヘッダ/列ヘッダのセル結合
Tablixコントロールでは、行・列のヘッダのセルを結合することが可能です。以下の画像のような複雑なヘッダも1つのコントロールで簡単に実現可能です。

次ページからは、実際にこのTablixコントロールを使用して、クロス集計表を作成してみます。