米HashiCorpは、同社が提供しているオープンソースのプロビジョニングツール「Terraform」を使用して、Kubernetes環境のパッケージ化、デプロイ、管理を可能にするプロバイダのアルファ版を、5月26日(現地時間)に公開した。
今回公開されたプロバイダでは、HashiCorp Configuration Language(HCL)を使用して独自のリソース設定を記述し、KubernetesおよびそのワークロードのライフサイクルをTerraformで管理できるようになる。
同プロバイダは、「Kubernetes 1.16」で追加され、将来的にはKubernetesの標準マージ機能になる「Server-side Apply」(SSA)を利用しており、SSAを有効にすることでプロバイダは属性の変更をKubernetesのAPI経由で検知し、Terraformの実行プランとの競合を処理して適用する。このようなSSAの仕組みを用いることで、Terraformはkubectlとも親和性の高い使い勝手を実現している。
なお、同プロバイダはまだ試験段階にあり、Terraformプロバイダレジストリからインストールできない。利用にあたっては、GitHubのリポジトリからダウンロードする必要がある。
また、同プロバイダは(「Kubernetes 1.16」の新機能を利用しているにも関わらず)「Kubernetes 1.17」以降でないと安定して動作しない。また、リソース作成時に存在しないリソース属性を生成すると正しく更新されない可能性があるほか、操作以前にクラスタに存在しなかった他のKubernetesリソースから属性値を得ることはできない、という既知の不具合がある。
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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