Gartner、「先進テクノロジのハイプ・サイクル：2020年」を発表

　米Gartnerは、「先進テクノロジのハイプ・サイクル：2020年」を8月18日（現地時間）に発表した。

　「先進テクノロジのハイプ・サイクル」は、1700超のテクノロジを分析した上で知見を抽出したもので、今後5～10年にわたって、高度な競争優位性をもたらす可能性が高い一連のテクノロジに注目している。

　今回、公開された2020年版では、30の先進テクノロジ、および5つのトレンドを提示する。

先進テクノロジのハイプ・サイクル：2020年

　5つの先進テクノロジトレンドは、「デジタル・ミー」「コンポジット・アーキテクチャ」「フォーマティブAI」「アルゴリズムによる信頼」「シリコンの先へ」となる。

　「デジタル・ミー」では、デジタル世界とやり取りする方法が画面やキーボードに留まらず、インタラクションモード（音声、視線、ジェスチャなど）の組み合わせを使用したり、場合によっては人間の脳を直接変えたりするようになっていることから、ソーシャルディスタンシングテクノロジ、ヘルスパスポート、人のデジタルツイン、シチズンツイン、マルチエクスペリエンス、双方向ブレインマシンインタフェース（BMI）を注目すべきテクノロジとして挙げている。

　「コンポジット・アーキテクチャ」は、ビジネスケイパビリティパッケージで構成されるソリューションによって実装され、組み込みのインテリジェンスは分散されており、エッジ・デバイスやエンドユーザーなどの外部にまで拡張されている。アジャイルな組織になるために、注視すべきテクノロジとしては、コンポーザブルエンタプライズ、ビジネスケイパビリティパッケージ、データファブリック、プライベート5G、組み込み型人工知能（AI）、エッジにおける低コストのシングル・ボード・コンピュータなどを挙げた。

　「フォーマティブAI」は、状況の変動に応じて動的に変化できる、一連の先進的なAIと関連テクノロジのことで、AI対応の開発ツールを用いて新規ソリューションを生み出しているアプリケーション開発者やユーザーエクスペリエンス（UX）設計者に利用されている。Gartnerは、AIの境界線の探求を目指す企業に対して、AI拡張型設計、AI拡張型開発、オントロジ／グラフ、スモール・データ、コンポジットAI、アダプティブな機械学習、自己教師あり学習、生成的AI、敵対的生成ネットワークの検討を促している。

　「アルゴリズムによる信頼」は、組織が顧客、従業員、パートナーの信頼を失うリスクとコストにさらされないよう保証する上で役立つもので、関連する先進テクノロジとしては、セキュアアクセスサービスエッジ（SASE）、差分プライバシー、来歴の認証、個人所有アイデンティティの業務利用（BYOI）、責任あるAI、説明可能なAIを挙げる。

　「シリコンの先へ」では、ムーアの法則がシリコンの物理的な限界に近づく中で、新たな先端素材がテクノロジの加速と小型化を可能にする、画期的な機会をもたらすと指摘しており、検討すべき重要なテクノロジとして、DNAコンピューティング／ストレージ、生物分解性センサー、カーボンベースのトランジスタを挙げている。