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成長企業の事例から学ぶプロダクトマネジメント

小規模チームがプロダクトグロースさせるための施策とは? フォーム作成管理ツール「formrun」のPOに学ぶ

マーケティング面

適切な施策実行を目的としたペルソナの再定義とそれに伴う戦術の再策定

 事業が譲渡された当初、無料プランから有料プランへの転換率が極端に低いという課題がありました。要因を検討したところ、それまで設計していたユーザーのペルソナが、長期的な成長を志向していく当時の事業フェーズにおいては適さないということがわかりました。

 そこで、改めてペルソナを再定義するために、小規模チームでリソースが逼迫している状態ではあったものの、すでに有料プランを契約いただいていたユーザーに対してのヒアリングを実施(1ヶ月に10件ほど)しました。

 そのなかで、当初把握していた「コーダー・エンジニア・デザイナー」ユーザー以外にも、非エンジニアのユーザーに利用いただいていることが判明したため、それまでは「コーダー・エンジニア・デザイナー」向けだったオウンドメディアでの案内を、非エンジニアのユーザーにも理解いただけるような内容に変更したことで、無料プランからの有料転換率が向上し、MRRの成長率に大きく寄与できたと考えています。

ユーザーのツール活用促進のための事例記事/Tips記事の充実

 ユーザーの要望を満たすプロダクト改善に取り組んでいるにも関わらず、なかなか利用が促進されない新機能や改善もありました。利用促進のためには、「formrunの機能や提供内容で解決できることの理解を促すこと」が必要だと考え、事例記事やTips記事の訴求軸やコンテンツ内容の整理に取り組みました。事例記事・Tips記事の役割を明確化し、記事コンテンツの拡充を進めました。

 事例記事は、用途やユーザーの課題にフォーカスしながら、個別具体的なプロダクト活用方法を記事化することで、formrunの活用イメージを持ってもらうことを目的としました。また、Tips記事は課題を感じるシチュエーションや事業課題、特定の機能を活用するための具体的な手順や方法を記事化することで、ユーザーの活用幅を広げてもらう目的で掲載しました(例:事例記事Tips記事)。

 この取り組みにより、ユーザーがCS担当者に具体的な設定方法などを聞かずとも、自力でフォームを活用できる場面が格段に増えました。ボタンの設置箇所や設定手順など、具体的な操作方法をキャプチャやGIFを活用して掲載することで、ITやパソコン作業に明るくない方からのお問い合わせ数も減らすことができ、サポート対応の観点でも工数の削減につなげることができました。

カスタマーサクセス面

FAQ/Tips記事の充実やチャットボットツールの導入による、ユーザー自身で課題解決できる環境の構築

 formrunは小規模なチームで運営しているがゆえに、一人ひとりが複数のタスクを抱えており、チームのメンバーの工数次第で、ユーザーからの問い合わせに迅速に回答できないという課題がありました。ユーザーが「formrunをより活用したい!」と考えているにも関わらず、サポートチームから返答を出せるまでの時間が長くなってしまっていたのです。

 この課題に対して、以下の3つに取り組みました。

  • FAQ(よくある質問をまとめたもの)を新機能がリリースされるたびに細かい頻度で抜け漏れなく更新し続け、常にFAQを見れば最新の情報が過不足なる収集できる環境を整えること
  • 上述マーケティングに関するものに加え、カスタマーサポートに関するTips記事も用意し、ユーザー自身で課題を解決可能な環境を整えること
  • ユーザーの疑問に自動で回答できるチャットボットツールを導入し、サポートチームからの返事を待たずして、ユーザー自身で課題を解決可能な環境を整えること

 特にFAQは、サービスを提供する際に用意することが当たり前ではあるのですが、一方でSaaSを提供している企業でも、新機能のリリースや改善に応じた更新が滞っている企業は少なくないという現状があります。しかし、私たちは、オンラインで提供するサービスを最大限活用してもらうためには、コンテンツやチャットボットによるユーザーへの情報提供が必要不可欠だと考え、少人数チームで割ける工数がひっ迫しているなかでも徹底してユーザー自身で課題を解決できる環境作りに取り組みました。

 そして、先述の通り、改善要望をスコアリングしながら取得し、機能改善に取り組んだ背景もあり、Tips記事で機能活用の案内数を増やしたこと、チャットボットで課題感に応じた導線を確保したことで、これまで定点的に発生していた問い合わせ数を減らすことができました。

事業成長のために大切にしていた、ユーザー視点をチームに浸透させる際の仕組み

 SaaSの事業運営において、チャーンレート(解約率)を改善するために施策を講じること、プロダクトを改善し続けることは、成長の生命線と言えるでしょう。そのため、私たちは常にユーザーが感じるペインと向き合う必要があり、導入企業の事業課題解決や業務効率化に貢献するための機能改善やプロダクトの磨き込みを進めていく必要があると感じています。

 また、SaaSの勉強会などでさまざまなテーマが話題に挙がりますが、一番大切なことはユーザーの声をプロダクトチームにフィードバックし続ける体制を整備し、マーケティングやカスタマーサクセスなどのセクションが分かれている業務担当であっても、過度な分業体制に陥らず、常にプロダクトの改善・開発を提案できるチームを構築することが大切であると考えています。

 お客さまの業務フローの一翼を担うプロダクトとして磨き込むことが大切であり、各ユーザー接点から得たユーザーの声や改善のヒントを、適切にプロダクトチームに伝える、デザイナーやエンジニアが開発・改善に取り組むためのヒントとして共有し続けることを忘れてはなりません。

 今後も、formrunで作成したフォームを活用いただくことにより、ユーザーのコミュニケーションの円滑化や業務効率化に貢献できるよう、プロダクトを磨いていきたいと思います。今回お伝えした私たちの経験が、少しでも読者の方々のプロダクト開発における悩みを解消することを願っています。

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この記事の著者

甲斐 雅之(カイ マサユキ)

 千葉県出身。内定者時インターンとしてマーケティング担当者向けのメディア「ferret」のメディア運用に携わったのち、株式会社ベーシックに新卒で入社。現在はフォーム作成管理ツール「formrun(フォームラン)」のプロダクトオーナーを務める。オウンドメディア運用やマーケティングの支援にも携わるかたわ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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