「Wasmer 1.0」では、すべてのコンパイラが関数を並列にコンパイルするようになり、バージョン0.17.1と比較してコンパイルにかかる時間を最大9倍高速化している。
用途に応じて最適なコンパイラをプラグインする機能では、ブロックチェーンなどに適したコンパイルが超高速な「Singlepass」、最小限の最適化での開発に適した「Cranelift」、最適化されたマシンコードによって最高のパフォーマンスを実現する「LLVM」をサポートする。また、コンパイラエンジンは生成されたコードをメモリに直接プッシュするJITエンジンと、共有オブジェクトとしてロード可能なネイティブコードを生成するネイティブエンジンに対応している。
そのほか、AOT(Ahead Of Time)コンパイルのサポートによる、プリコンパイルされたWasmバイナリを任意のデバイスで実行できるヘッドレスバージョンや、クロスコンパイルに対応するとともに、APIを改善し標準のWasm-C-APIと同様の構造に基づくAPIの提供、いわゆる「Appleシリコン」のサポートなどが行われた。