海外と日本のプロダクトマネジメントの違いは? CPO協会をPMの情報共有の場に
──海外のプロダクトマネジメントと日本のプロダクトマネジメントの違いについて教えてください。
Wakamatsu氏:一言で言うと文化の違いがあります。例えば、メルペイのCPOの伊豫健夫さんもおっしゃっていましたが、コミュニケーションスタイルが異なります。日本のコミュニケーションは非常に丁寧ですが、米国育ちの僕からすると回りくどくて時々わかりにくいことがあります。一方米国のアジャイル開発の現場では「いつ」「誰が」「何をやるべきなのか」が非常にわかりやすいシンプルなコミュニケーションスタイルとなっています。日本でもこのようなコミュニケーションスタイルが浸透すると、開発がスムーズになると思うんです。
またもう一つの違いは、日本の企業の多くは縦社会で、年齢が上の人の意見が通りやすいこと。本来、アジャイル開発の現場では、年齢に関係なく意見を平等に尊重することが重要です。日本でアジャイル開発がうまく進まない原因はこの日本ならではの文化によるところも大きいと感じています。
また、日本でも米国のように人材流動が盛んになれば、情報流通も盛んになり、いろんな会社の学びを得、その中から、自社にあったスタイルを作っていくことができます。ですがそのような文化になるにはまだまだ時間がかかるでしょう。日本のみなさんは、海外の事例を勉強されていたり、さまざまなフレームワークを取り入れていらっしゃったり、すごく勉強熱心です。その熱意に加えて、プロジェクトマネージャー同士が情報を共有する場があれば、日本の文化の中でも、プロダクトマネジメントがうまく進むと考えています。
──CPO協会がその情報共有の場になるということですね。
Wakamatsu氏:理事メンバーが所属している企業は、急成長期を迎えている、もしくは急成長を遂げています。事業が拡大する中でどんな課題があり、それをどう解決していったのか。そういった知見を共有できる団体にしたいと考えています。
具体的な活動としては「メディア運営」「イベントの開催」「調査レポートの発行」の3つ。メディアは月に1~2回、海外で活躍するプロダクトマネージャーたちの記事の掲載を予定しています。日本ではプロダクトマネージャーが不足していることから、最初はキャリアに関する記事を展開していく予定です。なぜ、エンジニアから、デザイナーから、プロダクトマネージャーになろうと思ったのか。目指すにあたりどんなスキルを身につけたのか、目指すにあたり苦労したことなどいろいろな人のキャリアパスに加え、プロダクトマネージャーとしてのやりがいなどについても紹介したいと考えています。
──プロダクト開発の事例記事なども今後、展開される予定ですか。
Wakamatsu氏:いずれプロダクト開発の具体的な事例話も記事にしたいと思っていますが、具体的な事例話はイベントの方が向いていると考えています。質疑応答もあった方がメンバーも深い学びができると思うからです。当協会では日本初のプロダクトに関する大型オンラインイベントの開催を7月ごろに予定しており、現在準備を進めています。
もう一つの活動、調査レポートでは人材への投資、役職の設置状況などプロダクト開発に関する意識実態調査を定期的な実施を予定しています。
──最後に、改めて今後の展望について教えてください。
Wakamatsu氏:まずはCPO協会が発信するメディアを多くの人に読んでもらえるようにしたいですね。そして企業の中でプロダクトマネージャーやCPOが増え、経営に貢献してほしい。人材が育つことで、プロダクトの質が向上し、世界に通用するプロダクトも増えていくと思うのです。僕自身がかつて日本のハードウェアに憧れたように、海外にいる日本人や日系人が誇りに思える、そんな強いプロダクトをどんどん生み出していく。そんな未来を作ることを個人的には望んでいます
CPO協会はCPOという肩書が付いている人だけが参加できる団体ではありません。スタートアップであれば、CEOやCTOがCPOを兼務していたり、CPOという役職を置いていない企業では、VPoPもしくはプロダクトマネージャーがCPO的な役割を担っていたりします。将来的にCPOやVPoPだけではなく、プロダクトマネージャーやプロダクトオーナーを目指している方にも参加してほしいと思っています。
今の事業やプロダクトに満足をしない、常に向上できることを考えている方、ぜひ、プロダクトマネージャーを目指してみませんか。
