IPAは、IT人材の学び直しや流動実態の把握に加え、変革を推進するための組織や人材マネジメントのあり方を考察することを目的として、アンケートを中心とする各種調査を行った「デジタル時代のスキル変革等に関する調査報告書」を、4月22日に発表した。
同調査は、国内企業1857社、国内企業に所属するIT人材1545人、海外企業に所属するIT人材616人へのアンケート調査を中心に、2020年8月~2021年3月にかけてインタビュー調査や文献調査など各種調査を実施したもの。
調査結果では、DXに取り組んでいる企業が全体で53.2%と昨年度調査より10ポイント増加したことが分かった。従業員1000名以下から100名以下の各企業規模層で満遍なく増加しており、従業員1001名以上の企業層が取り組みの中心であった2019年度調査時点と比べ、企業規模によるDXへの取り組み格差が解消しつつある傾向が見られた(回答数=1857社)。
また、DXで成果が出ていないと自己認識している企業(事業会社)では、IT人材が「大幅に不足している」という回答が52.9%と人材不足感が強いものの(回答数=289社)、「採用したい人のスペックを明確にできない」という回答が33.5%あり、成果あり企業に比べて多い。また、「魅力的な処遇が提示できない」の割合も40.8%と高く、制度面での整備も遅れていることが伺える(回答数=272社)。
一方、 人材市場における自身のスキルレベルが「分からない」とする比率が日本では34.3%(回答数=1347人)と、アメリカ2.7%(回答数=219人)、ドイツ6.1%(回答数=277人)に比べて非常に多い。
また、現在のスキルレベルが人材市場において十分競争力があるとする比率が日本は21.5%(回答数=1347人)と、アメリカ69.4%(回答数=219人)、ドイツ65%(回答数=277人)に比べて非常に低かった。
本調査では上記のほか、学びや人材流動の状況、組織に求められる要件に関する企業側と個人側のギャップ、先端領域への転換に対する意識や経験により人材を5つの「転換タイプ」に分類した分析など、多数の結果を掲載している。報告書の詳細は、IPAウェブサイト(デジタル時代のスキル変革等に関する調査)からダウンロードが可能。
IPAは本調査報告書の公開により、個人の学びの動機づけに加えて、企業が人材育成や採用基準、組織・人材マネジメントの改善のために本報告書を参照することで、産業界におけるデジタル化推進や必要な人材育成等につながることを期待している。
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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