「汎用型」「用途特化型」の2軸でフロントエンド開発を強力支援
今回のイベントを締めくくるこの日最後のセッションには、グレープシティの村上功光氏が登壇。「速習!グレープシティのJavaScript製品ライナップ」と銘打つ講演を行った。
グレープシティでは、いま開発者の間でますます需要が高まっている、JavaScriptライブラリのラインナップとして、「Wijmo」「SpreadJS」「InputManJS」「ActiveReportsJS」という4つの製品を提供している。
「これら製品は3つの共通した特徴を備えています。すなわち『高速・軽量』『JavaScriptフレームワーク対応』『TypeScript開発のサポート』です」とセッションの冒頭、村上氏は切り出す。
まず高速・軽量については、ライブラリ製品の中には多機能化を図るために、さまざまな機能取り込んだ結果、重くなってしまっているものもある。これに対しグレープシティの製品は単一の機能を1つのライブラリで提供しているため、非常に軽量で高速な動作を実現している。また、2つ目のJavaScriptフレームワーク対応だが、今日では中規模~大規模のフロントエンド開発では、AngularやReact、Vue.jsといったJavaScriptフレームワークを利用するのが一般的だ。グレープシティのライブラリ製品はそれらフレームワークを使った開発に対応している。
そして3つ目の特徴であるTypeScript開発のサポートについては、1つ目の舟山氏のセッションでもWijmoをTypeScriptによる開発で活用している事例が取り上げられたが、Wijmoを含め、すでに紹介した4つの製品すべてがTypeScriptで利用できるようになっている。
その後、村上氏からはこれら4製品についての紹介が行われた。まず、Wijmoは開発で重宝するUIやライブラリを豊富に収録するスイート製品で、いわば「汎用型」のライブラリである。さまざまな案件に対応できる40以上もの機能を収録している。一方、そのほかの3製品は特定の要件に応える「用途特化型」の製品。オールラウンドなライブラリではカバーしきれないディープなニーズを満たすものとなっている。まずSpreadJSだが、この製品ではExcelライクなUIや機能、操作性をWebアプリケーションで実現している。「スプレッドシートの部分だけではなく、例えばリボンや数式バー、ステータスバーなども含めて、ExcelライクなUIを実装できることが大きな特徴となっています」と村上氏は説明する。
またInputManJSは、入力フォーム開発を支援する製品。入力フォームの作成自体は、HTML標準のINPUTタグを使えば手軽に行えるが実務には十分でなく、InputManJSでは入力エラー処理や取得データの整形、データ検証などの各機能を備えているほか、和暦表示やカレンダー入力などにも対応している。
そして、ActiveReportsJSは、帳票出力を支援する製品だ。.NET製品として長年にわたり開発者の間で高い人気を誇るActiveReportsの実力を引き継いでおり、日本ならではの細かな帳票ニーズにも応える。データの取得をWeb API経由で行うモダンWebアプリケーション環境では、データソースとなるバックエンドのシステムを問わない点も大きな強みとなっている。
「弊社営業部では、より詳しい製品のご紹介はもちろん、導入を検討されているお客さまに対するオンライン/オフラインでの勉強会の開催なども承っておりますので、ぜひお気軽にご相談いただければ幸いです」と村上氏は語り、セッションを閉じた。
企業においてDX(デジタルトランスフォーメーション)推進の必然性が声高に叫ばれる中、社内業務を支えるWebアプリケーションには、より高度な使い勝手と性能が求められている。すなわち、モダンWebの実現こそが重要なテーマとなるわけだ。今回のグレープシティによる「Web TECH Forum 2021」は、それに向けた取り組みを始めようとする開発者、特にこれまで.NET開発に勤しんできた開発者に対し、有効な指針を示すイベントとなった。