V8 JavaScriptエンジンとRustによって構築されている、JavaScript/TypeScriptランタイム環境Denoの開発チームは、最新版となる「Deno 1.16」を11月9日(現地時間)にリリースした。
「Deno 1.16」では、fetchを使用したローカルファイルシステムのファイル読み取りがサポートされるようになり、import.meta.urlを使用して現在のモジュールに関連するファイルを取得する場合などに役立つ。また、React 17に導入された、JSXランタイムライブラリの自動インポートを可能にする、新たなJSXトランスフォームをサポートした。
さらに、OSのシグナルを受信するための新たなAPI(不安定版)が追加され、既存のDeno.signals APIと置き換えられたほか、エラーが発生した場合やconsole.logに記録された際に、Error.causeプロパティが表示されるようになっている。
ほかにも、TLS接続のハンドシェイクを明示的に実行できるようになり、Web Streams APIにおけるいくつかの改善、Deno.startTlsの安定版への移行、バージョン1.10に搭載されていた、テストごとにアクセス許可の設定を可能にする機能の安定化、localStorageが--locationフラグなしでDenoを起動した際に使用するストレージバケットへの暗黙のキー追加、AbortSignalを中止する際に理由を指定する機能のサポート、Denoで記述されたモジュールをnpmパッケージとして公開するためのdntのリリース、V8のバージョン9.7への更新、WebAssembly参照型のサポートなど、さまざまな機能追加・改善が行われた。
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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