米Amazon Web Servicesは、マネージドリレーショナルデータベースサービスAmazon Relational Database Service(RDS)において、新たなマルチAZ配置オプションを3月2日(現地時間)に発表した。
Amazon RDSでは、マルチAZ配置とリードレプリカの2種類のレプリケーションオプションを用意している。
マルチAZ配置は、高可用性と自動フェイルオーバーを提供し、2番目のアベイラビリティゾーンにデータベースのストレージレベルのレプリカを作成する。さらに、高可用性を実現するために、プライマリからスタンバイDBインスタンスにデータを同期して複製し、通常はプライマリDBインスタンスがアプリケーション要求を処理しつつ、障害発生時にはスタンバイDBインスタンスが処理を引き継げるようになっている。
リードレプリカは、アプリケーションによる複数のデータベースインスタンス間での読み取り操作の拡張が可能で、非同期でデータを複製することによって、アプリケーションからプライマリデータベースに送信された書き込み要求をリードレプリカ間で分散できる。プライマリノードに障害が発生した場合は、リードレプリカを手動で昇格させることで、新たなプライマリデータベースにすることが可能になっている。
マルチAZ配置とリードレプリカの目的は異なり、マルチAZ配置はアプリケーションに高可用性、耐久性、自動フェイルオーバーを、リードレプリカは読み取りスケーラビリティを提供する。
今回、新たに発表されたマルチAZ配置オプションは、1つのプライマリインスタンスと2つの読み取り可能なスタンバイインスタンスで構成され、書き込み操作の高速化、従来のマルチAZによるDBインスタンスよりも高速なフェイルオーバー操作、ホットスタンバイの実現、トランザクションログにローカルストレージを活用したレプリケーションの最適化、といったメリットがある。
すでにAmazon RDSのデータベースを使用していて、新たなマルチAZ配置オプションを利用したい場合は、データベースのスナップショットを作成して既存のデータベースインスタンスの、ストレージレベルでのバックアップを作成し、スナップショットに基づいてマルチAZ配置オプションを使用し、新しいデータベースクラスタを作成できる。
新たなマルチAZ配置オプションは、米国東部(バージニア北部)、米国西部(オレゴン)、ヨーロッパ(アイルランド)で利用可能で、MySQL 8.0.28以降、またはPostgreSQL 13.4 R1に対応している。
料金はインスタンスタイプによって異なり、米国リージョンではオンデマンドの料金はM6gdインスタンスの場合1時間あたり0.522米ドル、R6gdインスタンスの場合は1時間あたり0.722米ドルからとなっている。
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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