アドビ、外部の有識者を交えた「アドビ未来デジタルラボ」を発足　及川卓也氏らが参画

　アドビは、12月1日に記者発表会を開催し、2022年の振り返りと、同社が新たに発足した「アドビ未来デジタルラボ」について紹介した。

　まず、同社 代表取締役社長 神谷知信氏が登壇し、2022年のアップデートを紹介した。

アドビ株式会社 代表取締役社長 神谷知信氏

　アドビは設立40周年、日本法人は設立30周年を迎える。2012年にCreative Cloudをサブスクリプションで提供してから、事業は右肩上がりで成長しており、2021年度はサブスクリプションの売上が全体の95％を占める。

　アドビは日本法人のビジョンとして「心、おどる、デジタル」を掲げ、Photoshop、Illustratorに代表される「Creative Cloud」、PDFや電子サインで、紙ベースのビジネスの生産性を上げる「Document Cloud」、デジタルビジネスを強化する「Experience Cloud」といった3つのクラウド事業を推進する。

　「Creative Cloud」の戦略として、クリエイティブアプリの強化や、テンプレートベースで簡単にデザインができるAdobe Express、AIである「Adobe Sensei」によるクリエイティブの補強、Figma買収などに代表されるコラボレーション機能の提供などを挙げた。

　「Document Cloud」事業に関しては、早稲田大学におけるAdobe Acrobat Signの導入や、Adobe Acrobat SignのAPIと、凸版印刷のマイナンバーカードを用いた本人確認アプリとの連携事例が紹介された。

　「Experience Cloud」の事業では、オムニチャネルの推進や、多くの企業のデジタル化を支援、事例やユースケースを共有できるユーザーコミュニティの推進などのトピックを紹介した。

　続いて、同社 常務執行役員 兼 CMO 里村明洋氏が、同社が12月1日に発足した「アドビ未来デジタルラボ」について紹介した。

同社 常務執行役員 兼 CMO 里村明洋氏

　「アドビ未来デジタルラボ」は、アドビ社内のみならず外部の有識者を交えて、デジタルコンテンツ、デジタル顧客体験をテーマに、さまざまな角度から議論・提言していくことを目的に設立された団体。来年より本格的に活動していく。

　アドビ未来デジタルラボでは、テクノロジー、コンテンツ、ライフスタイルの分野の有識者が主要メンバーとして集まり、開発者でありアドビフェローの及川卓也氏、ITエバンジェリストの若宮正子氏、AR/MR研究開発の伊藤武仙氏、UX/UIデザイナーの深津貴之氏などが参画する。

　ラボの活動テーマとして、「テクノロジーの未来」「コンテンツ未来」「ライフスタイルの未来」の3つを掲げ、調査、討論、実証実験し、最終的に提言としてまとめていく。