米Cloudflareは、2022年のインターネットの傾向を振り返る文書「Cloudflare Radar 2022 Year in Review」を発表した。この文書は同社が運営するコンテンツ・デリバリ・ネットワークやセキュリティ関連サービス、DNSサービスなどのトラフィック・データをさまざまな形で集計したものだ。データは2022年1月2日から11月26日までの間に集めた。
まず、世界中のインターネット・トラフィックは2022年に23%増加した。2月の北京冬季オリンピックの開催に合わせてトラフィックが増加し、その後はおおむね横ばいだったが、11月に入って買い物シーズンが始まり、FIFAワールドカップ・カタール大会が開幕したことによってトラフィックが大きく増加した。
続いて、Webでどのような種類の情報が流れたのかを集計したところ、技術に関する情報が最多だった。トラフィック全体のおよそ3分の1を占めるほど、ほかの分野に差を付けた。2位以降はビジネスと経済、社会と生活、エンターテインメント、コミュニケーション、ショッピングとオークションが続いた。
インターネット・サービスの利用者を見ると、最も多かったのはGoogleだった。2位はFacebookで、3位はAppleとTikTokが同数で並んだ。以下YouTube、Microsoft、Amazon Web Services、Instagram、Amazonと続き、10位はiCloud、Netflix、Twitter、Yahooが同数で並んだ。
SNSに限って集計すると、1位からFacebook、TikTok、Instagram、Twitter、Snapchat、LinkedIn、Discord、Reddit、Pinterest、Kwaiという順になった。Twitterの代替として注目を集めているMastodonについてもデータを集計している。Mastodonが使用しているドメインの中でも代表的な400件を対象にデータを集計してみたところ、大体200位前後となっている。
トラフィックには、ボットによるものもかなり存在する。検索エンジンのクローラーなど、インターネットの世界に欠かせないボットもあるが、情報を盗み出して外部に送信するマルウェアなど、悪意のあるボットも相当数ある。そして2022年のインターネット・トラフィックのうち大体30〜35%はボットによるものだったという。トラフィック全体の3分の1程度がボットによるものということになる。
地域によってはボットによるトラフィックが極端に多いところもある。例えばアイルランドではトラフィック全体のうち70%ほどがボットによるもので、シンガポールでは全体の60〜70%がボットによるものだったという。どちらも大手パブリック・クラウド・サービス業者が「リージョン」を置いており、攻撃者の標的となっていると考えられるという。
「Cloudflare Radar 2022 Year in Review」では、このほかにもインターネット障害の発生地点と日時や、衛星通信サービス「Starlink」の普及率、IPv6の使用率など、興味深いデータを多数収録している。
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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