生成系AIに関するJupyter拡張機能のご紹介
AWSはデータサイエンティストや機械学習エンジニアにとって欠かせないJupyterを開発する「Project Jupyter」のスポンサー及びコントリビューターとして活動しています。
2023年5月10日のJupyterConにおいて、AWSはJupyterユーザーの体験を向上させ開発の生産性を高める新しいツールを発表しました。
Jupyter AI:Jupyterノートブックへ生成系AIを提供するオープンソースプロジェクト
Jupyter AIは、ChatGPT、Jurassic-2、Amazon Titan(近日公開)といった大規模言語モデルを利用した生成系AIの機能をJupyterノートブックから利用できるようにするオープンソースプロジェクトです。開発者がソースコードの生成、デバッグを行うことを支援してくれます。また、Jupyter AIはローカルファイルに関する質問に答えたり、簡単な自然言語のプロンプトからノートブック全体を生成することもできます。
SageMakerエンドポイントでホストされる言語モデルをサポートしており、AWSとの親和性も高いものとなっています。
Amazon CodeWhisperer Jupyter拡張機能
Amazon CodeWhispererのコード生成機能をJupyterLabはもちろんAmazon SageMaker Studio、Amazon SageMaker Studio Labにインストールして使用することができるようになりました。
機械学習開発においては、Jupyterノートブック上での作業が中心となります。そのため、Jupyterノートブックでもリアルタイムでのコード提案、生成をしてくれる機能は、非常に恩恵のある機能だと思います。
CodeWhispererはデータ分析のコード生成にも対応しており、さらに機械学習のフレームワークやSageMakerのAPIの利用にも対応してくれています。
操作も他のIDEで使う場合と同様にシンプルで、最上部の提案を受け入れたり(Tabキー)、その他の提案を表示したり(矢印キー)、引き続き独自のコードを記述したりできます。
おわりに
今回は、AWSの生成系AIに関する注目のアップデート情報をご紹介しました。
AWSは、どれか1つのモデルが支配的になるとは考えていないようで、様々なモデルを柔軟に選択し、簡単にソリューション構築ができるようなサービス提供に注力していく戦略をとっていくようです。これらのサービスを活用して、さらに柔軟性と費用対効果高く生成系AIソリューションの構築と展開を実現できそうです。