エンジニアに寄り添い36年、専門エージェントだからできる手厚いサポートとは
エンジニアにはおなじみのPE-BANKのさくらんぼのロゴ。3つ並んだ実はそれぞれ「お客様企業」「ITエンジニア」「PE-BANK」であり、「三者がいい関係を構築すること」というPE-BANKの使命を表しているという。
エンジニア不足の昨今、ITエンジニア専門の人材エージェントは首都圏を中心に急増しているが、PE-BANKは2023年で36期目を迎える老舗だ。長い歴史の中で信頼関係を築き、多彩な顧客企業を擁しているという。中にはPE-BANKだけに採用活動を委ねている企業も多く、IT企業だけでなく、事業会社やコンサルティング企業なども顧客リストに名を連ねる。「当社ならではの強みの1つとして、当社に登録しなければ出会えない、入社できない企業様も結構な数存在する」と、東京を中心にキャリアコンサルタントとして活動する八重倉氏は胸を張る。
そして、もう1つ「契約内容がフルオープンであること」を挙げ、「エージェントは手数料率や顧客企業からの条件が完全にブラックボックスになっていることが多く、業界の課題の1つになっている。しかし、PE-BANKは以前から顧客企業からいただく条件をフルオープンにしており、そうしたフラットさも魅力につながっている」と語る。
確かにPE-BANKの企業理念には、「ITフリーランスが安心して働ける環境を提供し、活躍の場を創出する」「ITフリーランスの社会的地位がより一層高まる社会を創り上げていく」とあり、ITエンジニアがプライドを持って最高の仕事をすることを願う気持ちが表れている。ITエンジニアが働く環境を整え、フリーランスで働く時にも不当な扱いをされないよう、社会的地位の向上を使命として心がけているという。
この理念を実現するためにPE-BANKではさまざまな強みを発揮しているが、中でも取引先数が1000社を超え、北海道から九州まで12拠点を擁し、全国をカバーしている点においては、他にはない強みといえるだろう。例えば、ここ最近よく聞く悩みとして、エンジニアを続けながらIターンやUターンで地方で生活したいという人が増えているが、なかなか実現できないというのが実状だ。しかし、全国をカバーしているPE-BANKならば、登録することで比較的容易にサポートできる。
そしてもう1つ、八重倉氏は「10年、20年とPE-BANKでずっと仕事をしているエンジニアが多いこと」を挙げ、「2〜3年目のプログラマ―として当社にエントリーしてきてくれた方が、その後、PL、PM、コンサルタントへとキャリアアップを実現していくことも少なくない。仕事を紹介するだけのエージェントとしてだけでなく、組織の中で難しいステップアップであっても、キャリアを相談しながら実現できるような存在であり続けたいと考えている」と語った。
「自分で目標を設定し、毎年年収800万以上を達成する」エンジニアのキャリア戦略とは?
PE-BANKに登録し、キャリアを築いている例として、大手自動車メーカーで長年仕事をしているフリーランスエンジニアの山崎英之氏が紹介された。山崎氏は、「私を含め、多くの人が5年後すら未来を描くことは困難な時代。幸いIT技術者を含めスキルを持つ人は戦略を立てられる。需要がある仕事でも生き残れるのは上位20%。その上位に入るには努力が必要だが、何に向かって努力をしたらよいのかヒントを提供したい」と語る。
そもそも上位20%になれる能力は何なのか。それがわからなければ生存戦略を立てることは難しい。運があることも条件の1つといえるだろう。山崎氏が考える生存戦略とは、「例えば1年だけ2000万を稼いで、その後ゼロに近いというものではなく、800万を毎年稼ぎ、どんどんプラスできる成長継続性を重要視したもの」だという。IT技術者といっても、広義にはセールス、マネジメント、スペシャリストがおり、それらを網羅した上で専門性を広く持つことが望ましい。しかし、たとえ“できる”能力があっても、取得できるお金や時間、会社における配属先や仕事などの成功要因を努力だけで掴むことは困難といえるだろう。
そこで山崎氏は、「まず自分自身のスキルアップやライフプランを立て、どう進みたいかを明確化することが大事」と語る。そこで山崎氏が理想を実現するために選んだのが「フリーランスエンジニア」という道だ。
山崎氏は、もともと東京で会社員として働いていたが、現在は愛知県在住で、客先に務めて15年を超える。主に大手自動車メーカーのプロジェクトに参加し、1年後の案件にも依頼がかかるなど仕事が途切れずに続いている。インフラやネットワーク、アプリケーション、DB、セキュリティなど、その時々で“困っているプロジェクト”にアサインされることが多く、「人の育成、特に若手を育てること」について期待されている。一方、緊急性や難易度が高い事案以外は、レビューが中心で手を動かすことは少なく、「今後も仕事に困る可能性はまずない」と語る。
そんな山崎氏の技術者としてのマインドが変わったきっかけは、ある先輩に言われた一言だったという。社会人になってすぐに「昔は土曜日も仕事だった。土曜日は自分のスキルアップの時間に充てたらいいよ」と声をかけられたものの、当時はあまり気にしていなかった。しかし、20代後半で出会った仕事ができて尊敬する先輩の机に1万円を超える技術書がおいてあり、自分には「高くて買えない」とぼやいたところ、「お金も時間も自己投資だから」とサラッと言われたそうだ。それを機に以前言われた言葉を思い出し、マインドが変わったという。さらに30歳を過ぎた頃に、当時勤めていた会社の社長が「お客さんにお礼を言われながら喜んでお金を支払ってもらう仕事が大事」と言われたことも、新鮮な驚きとともに仕事に対するスタンスが変わるきっかけとなった。
こうした言葉をきっかけに、山崎氏は「技術書にお金を惜しまない」という目標を設定。しかし、会社員のままでは時間もお金も有限であり、その中で一番の技術者になることは難しい。そう考えた山崎氏は、本を買って勉強する時間を確保するために独立起業を果たした。結果、部下や上長への報告など雑務が減り、業務時間以外を勉強時間に充てられるようになった。現在も常に新しい技術書を購入しキャッチアップを心がけているという。
キャリアを途切れさせない“学び”のための3つのポイント
そんな山崎氏は勉強するにあたって「一つ一つ徹底的に追い求めること」を重視しているという。そして、「IT技術者の生存戦略で実施すべきこと」として下記の3つを挙げた。
1)ソースコードの正当性
コーディング規約について徹底的に理解すること。ソースコードの複雑さをメソッド単位で数値にして表す指標で、ソフトウェア測定法の一つである「サイクロマティック複雑度(Cyclomatic Complexity:循環的複雑度)の考え方に基づき、システムの安全性に関わるソースコードの正当性を理解することが重要である。また、これに関するコーディング規約の書籍を複数読み込んで徹底的に理解したそうだ。
2)ネットワーク
「日経NETWORK」を3年間定期購読で申し込み、毎月届いた本を熟読した。さらに実機で理解できるまで、徹底的に実施していた。ネットワークについてかなりの知識を得ることができ、また実務につながることでもあるため、やって良かったと感じているという。
3)インフラと各ネットワーク
例えば、仮想でECサイトを構築することを想定し、サーバやネットワークの構築、アプリ、フレームワーク、データベースなどを用いて実装を理解していった。現在はAWSなど仮想環境が主流ながら、元々のベースとなる知識がなければ、実運用で使えないと考えた。山崎氏は「例えばRaspberry Piも結局Linux。知るという意味ではRaspberry Piはハードルが低いので、まずはやってみることが大切」と語った。
そして、山崎氏が「現在のマストな技術」と考えているのがセキュリティだ。ランサムウェアやトロイの木馬など、さまざまな侵入手口が登場する中で、システム構築で具体的な適用提案や設計ができるか、実務でやれるかどうかは、大きな差になる。「何か1つだけできる」ではセキュリティは担保できず、ユーザーにどう使わせるか、通信はどう設計して運用するのか、アプリケーションやミドルウェア、OSには何を適用し、どう設計・運用するのかまで、全てが大事になる。当然データベースにおける個人情報の保持も必要だ。
山崎氏は、「情報セキュリティの3要素である『機密性』『完全性』『可用性』には違反する要素が含まれる。提案・適用するには、すべての知識を網羅的に把握しておくことが必要」と強調した。
こうしたエンジニアの勉強について、山崎氏はこれまでを振り返り、「20〜30代の頃はOSや言語の乱立時代で、何が残るのかもわからない状態だった。不確実性は今も昔も同じ。ある程度、技術が成熟している今だからこそ、深掘りが可能となり、複数の専門性を持つことが最重要な価値となる」と語る。当然ながら、新技術・市場のアンテナを張る必要はあるが、新技術は礎となる知識を習得してこそ生きるもの。継続的な収入の安定性を考えるなら、市場に多く、かつ世の中に実務で困っている人の多い知識習得が最優先というわけだ。
山崎氏は、「我々IT技術者は日々アンテナを張り、精進の毎日。皆様のよりよい人生の一つの情報として、役立ててほしい。独立リスクを回避する方法がPE-BANKだと思うので、問い合わせてみてはどうか」と自身の経験談を締めくくった。
山崎氏の体験談を受け、八重倉氏は「エンジニアから、今後10年20年と食いはぐれずに仕事を続けることは可能かという相談を受ける」と語り、「山崎さんのお話のとおり、複数の技術に強いことが非常に重要」と語る。つまり、ある分野で一定程度深掘りできたら、その周辺分野で異なる技術を学ぶことが有効だというわけだ。
エンジニアのキャリアと学びをサポートする充実のラインナップとは?
そうしたエンジニアの勉強、スキルアップやキャリア設計において、PE-BANKはさまざま様々な取り組みを実施している。その1つが、PE-BANKが培った35年の経験やノウハウを活かし、2023年11月にスタートした教育・育成に特化した新事業「Pe-BANKカレッジ - エンジニアのためのネクストキャリア準備講座」だ。ビジネスプロフィール部の進藤氏は、「会社に属しているとどうしても、『一生エンジニア』という働き方が難しい場合がある。それも含めてエンジニアのキャリアに示唆を与える内容なので、ぜひ興味のある方は問い合わせてほしい」と語った。
またPE-BANKに未登録でもスキルアップ支援が受けられる「サポートプラス」では、登録はためらわれるという人や短期で試しに使うだけ使ってみたいという人でも、確定申告や健康診断、さらには資格取得までサポートが受けられるという。
そしてもう1つ、ITエンジニアがおさえておくべき業界動向について学び、語り合うイベントとして、「ProTechOne」が紹介された。毎年開催され、誰でも無料で最新の技術や情報に触れられる。2023年開催時には、マイクロソフトの千代田まどか氏、脳科学者の茂木健一郎氏に加え、有名なエンジニアも多数登壇し大盛況を博した。次回は2024年の6月頃を予定しており、4月頃にはゲストスピーカーも含め、詳細が発表されるとのことなので、興味のある方は参加してみるとよいだろう。
PE-BANKでは、フリーランスだけでなく正社員転職など、エンジニアの転職に関するさまざまな支援を行っている。ただ、日本ではフリーランスエンジニアの働き方についてハードルが高いというイメージが根強い。八重倉氏は、「相談だけでもいいし、ざっくばらんに当社の営業にお話いただき、今後のキャリア構築に役立ててほしい」と語る。実際、PE-BANKも会社の福利厚生と同等のサポートサービスが用意されているなど、フリーランスエンジニアの不安を払拭し、トライする機会を提供している。
最後に進藤氏は、「一度フリーランスになってみて、合わないと感じたら正社員に戻るというキャリアもあり、たくさんの選択肢がある。さまざまな働き方にチャレンジいただきたい。そして我々も、エンジニアの方に経験やスキルを向上させるための仕事を提供できるように頑張っていきたい」と語り、セッションのまとめとした。