JetBrains、2023年に実施されたJavaScriptとTypeScriptにおける開発者エコシステム調査の結果を紹介

　チェコのJetBrainsは、これまで7年間にわたって行ってきた、変化し続ける開発者の状況と使用されている主要なテクノロジを関連付けるための、開発者エコシステムアンケートにおける2023年の調査結果のうち、JavaScriptとTypeScriptの内容について、3月7日（現地時間）付の公式ブログ投稿にて紹介している。

　2023年の開発者エコシステムアンケートは、世界中の26348名の開発者を対象に行われた。同調査では、7年連続でJavaScriptが世界でもっとも多く使用されているプログラミング言語であることが明らかになっており、JetBrainsはその理由として、JavaScriptがフロントエンドWeb開発のための、障壁の低い言語だからであると指摘する。なお、JavaScriptのシェアはここ3年間少しずつ低下しているものの、この低下はTypeScriptの採用増と同時に発生していることから、将来的にはTypeScriptがJavaScriptに取って代わる可能性も示唆している。

　開発者にとってのJavaScriptの用途は、Webサイトが80％を占めてもっとも多く、ユーティリティの開発がそれに続く。また、JavaScript開発者の86％がフロントエンドプロジェクトに、34％がフロントエンドだけでなくバックエンドにも従事していた。

　調査結果によれば、JavaScriptとTypeScriptの開発にあたって、回答者の51％がVisual Studio Codeを使用しており、以下WebStorm（21％）、その他のIntelliJベースのIDE（16％、PyCharm、IntelliJ IDEA、PhpStormなどJetBrains IDE製品を含む）が続いている。

　JavaScriptフレームワークとライブラリは、使用していないという回答がわずか8％と、JavaScript開発者コミュニティ内では広く普及し、もっとも人気が高かったのはReact（57％）で、Vue（32％）、Next.js（27％）、AngularとExpress（どちらも20％）がそれに続いた。

　モジュラバンドラでは、webpack（57％）が1位を獲得しているが、より最小限の構成によって優れたパフォーマンスを求める開発者が増えてきていることから、今回の調査ではVite（38％）やesbuild（11％）といった、他のモジュラバンドラの採用も増えてきている。

　ユニットテストは、JavaScript開発者にとっては一般的となっておらず、32％はユニットテストを作成していないと回答した。ユニットテストを作成している開発者には、Jest（40％）がもっとも多く使用されており、Cypress（15％）が2位となり、以下Mocha、Vitest、Playwrightが10％程度でそれに続く。

　なお、JetBrainsは、JavaScriptからTypeScriptへの移行が発生する理由として、TypeScriptもECMAScript規格に準拠しており、多くの場合最新のJavaScript機能もサポートしていることから、将来的にJavaScriptに追加される機能を、Webブラウザで広くサポートされる前から使用できることと指摘している。