IPAは3月28日、DXに取り組む企業の担当者を技術面から支援するための手引書「DX実践手引書 ITシステム構築編」の改訂版を公開した。
「DX実践手引書 ITシステム構築編」は、2021年11月に公開され、DX未着手または途上の企業の担当者を技術的側面から支援することを目的としている。手引書では、DXを実現するためのITシステムとその技術要素を包括的に示し、「スサノオ・フレームワーク」として提示している。また、「アジャイル」「IoT」「API」といった技術・手法との関連性や先行する企業の事例を追記するなど、改訂を続けている。
今回の改訂では、注目の集まるデータ活用に関する内容を充実させるため、「データスペース」と「データ活用におけるAI」の解説が追記された。
データスペースの項目では、「国や組織の垣根を越えたデータの流通を可能にする標準化された仕組み」であるデータスペースについて、そのメリットやデータ連携の方法、特徴などを説明している。具体的には、データ連携及び特徴の図として、「データを探す」「認証・認可」「データ転送/アクセス」の3つのステップを示しながら、特に「データ転送/アクセス」のための仕組みとして「コネクタ」を紹介している。
データスペースでは、従来のように一括でデータをダウンロードするのではなく、多頻度でデータ単位のアクセスが行われる。異なる国や組織間でスムーズなデータ連携を実現するには、このようなコネクタの活用が重要だ。データ提供者とデータ利用者が接続され、データの連携が円滑に行われることが、下図のように説明されている。
また、データ活用におけるAIの項目では、AIシステムが効果的に機能するためのデータ環境整備の観点や、AIのセキュリティ・セーフティへの課題、注目すべきAIの機能とその具体例を紹介している。
改訂範囲は、以下のとおり。第4章の「4.4 データ活用」において、「4.4.4 データスペース」と「4.4.5 データ活用におけるAI」が追記された。
- 第1章 DXを実現するための考え方
- 第2章 DXを継続的に進めるための考え方
- 第3章 DXを実現するためのITシステムのあるべき姿
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第4章 あるべきITシステムとそれを実現する技術要素
- 4.1. DXを実現するための技術要素群の全体像
- 4.2. アジャイル開発
- 4.3. スピード・アジリティを支えるマイクロサービスアーキテクチャの活用
- 4.4. データ活用 (4.4.4 データスペース、4.4.5 データ活用におけるAI、を追記)
- 4.5. API
- 4.6. IoT
- 4.7. 社会最適を実現するための外部サービスの活用
- 4.8. 現行システムからあるべき姿への移行
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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