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データ社会推進協議会、産学官を超えた連邦型データ連携基盤「DATA-EXプラットフォーム」の運用を開始

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 データ社会推進協議会は、産学官を超えた連邦型データ連携基盤「DATA-EXプラットフォーム」の運用開始を、4月10日に発表した。

 「DATA-EXプラットフォーム」は、同法人が発足以来開発に取り組んできた「DATA-EX」の実現を目的とした基盤であり、利用者は業界やコミュニティごとのデータ連携環境を安全・安心かつ効率的に構築できるようになる。同法人は、あわせて同プラットフォームの利用団体などを支援すべく、新たに「DATA-EX推進TF(タスクフォース)」を設置し、「DATA-EX」を通じて日本におけるDXに貢献していく。

 「DATA-EX」は、さまざまな分野、業界が自らデータ連携基盤(データスペース)を構築するための、共通技術や標準などを提供する活動の総称となる。

 今回、運用開始が発表された「DATA-EXプラットフォーム」では、業界やコミュニティでデータ連携基盤を構築するための基盤技術として、分野を超えてデータの発見と利用を可能にする仕組み「CADDE(Connector Architecture for decentralized Data Exchange:分散型データ交換のためのコネクタアーキテクチャ)」をはじめとするソフトウェアモジュールを提供する。「CADDE」を用いて構築されたデータ基盤では、参加者間で安心・安全にデータ連携ができるほか、共通の基盤技術導入によって従来課題となっていた業界や分野ごとのデータ連携における技術的な差異を解消し、異なる業界・分野間のデータ連携にも容易に対応可能となる。

 同プラットフォームは、鉄鋼ミルシート、スマートモビリティ、スマート防災といったさまざまな分野での活用が期待されており、デジタル庁による産業用データ連携基盤やSIP第3期における課題間データ連携基盤として採用準備が進められている。ほかにも、社会的ニーズの高いカーボンフットプリントやサーキュラーエコノミー分野での活用が検討されているため、同法人はこれらの取り組みに対して、業界関係者と連携して導入を支援していく。

 「DATA-EXプラットフォーム」では参加する企業や組織が、自らのデータの提供可否や存在の公開可否を制御する「データ主権」を保持できる自律分散協調型のデータ連携基盤であるため、競争力のあるデータをプラットフォーマに委ねることなく適切に管理可能で、参加者の「データ主権」が守られる。

 参加者の「データ主権」を守りつつ、参加者の真正性と連携されるデータや情報の真正性と完全性を、TTP(Trusted Third Party:信頼のおける第三者)のトラストサービスによって担保する。さらに、データを利用する権利を保護し、安心安全にデータを取引できるデータ取引市場との連携やデータ利用権の活用によって、契約管理、来歴管理機能の提供もおこなう。これは、Data Free Flow with Trust(DFFT)の実践であり、同法人はOECD DPC(The Digital Policy Committee)に設置されているDFFT Community of Expertsにも参加している。

 「DATA-EX」は、国内の分野を超えたデータ連携を推進するとともに、GAIA-Xなどの国際的なデータ連携推進団体との相互運用を見据えた社会実装を目指しており、同法人はこれまでも世界各国のデータ連携を推進する関係機関と議論を重ね、国際標準化を推進するためのInternational Data Society Alignment Task Forceを共同設置するなど、国際標準に適した設計の採用を提案してきた。この活動は、日本におけるデータ連携技術のガラパゴス化を回避し、日本企業の国際競争力を高める仕組みとなることを目指して行われ、IEEE SASB(Standard Association Standard Board)、ISO/IEC/JTC1、CEN/CENELECといった国際標準化団体による活動とも協調し、「DATA-EXプラットフォーム」が最新の国際標準化と連動する取り組みを進めている。

 「DATA-EXプラットフォーム」では、業界やコミュニティがそれぞれの「データ主権」を保持した上で、データ連携を行うための共通的基盤技術を提供する。一方で、各業界やコミュニティのデータ連携に対して不必要な制約を課さないため、特定のデータモデルや固有の専門語彙体系などがそれぞれの業界やコミュニティに最適化された状態での、データ連携を実現できる。同法人は新たに組成する「DATA-EX推進TF」を通じて、それぞれの業界やコミュニティなどにおけるデータ連携基盤構築の相談対応や技術支援、実証実験の推進支援などを行う。

 同プラットフォームで提供する中核的技術である「CADDE」コネクタは、利用者のアプリケーションおよびデータ連携する対向システムとの連携に必要な認証、認可、広告、発見、授受といった機能をAPIによって提供する。同法人では、「CADDE」をはじめとするソフトウェアモジュールがインストールされたテストベッドの、開発試験用での提供も行っていく。

 4月15日13時〜17時に、「グランパークカンファレンス」(東京都港区)にて開催される「第10回DSAオープンフォーラム『DATA-EXが作り出す新しいデータ社会』」では、データ社会推進協議会の会長を務める東京大学大学院 情報学環・教授である越塚登氏による、「DATA-EXプラットフォーム」の解説とデモンストレーションが行われる。

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