はじめに
近年、OpenAIの「ChatGPT」やMicrosoftの「Microsoft Copilot」、Googleの「Gemini」といった、さまざまなAIツールが利用できるようになっています。これらのAIツールは、人間の自然言語を理解し、質問への回答、画像や文章の生成、タスクの実行など、さまざまな機能で人間の作業を支援します。
そんな中でも今回紹介する「GitHub Copilot」は、プログラムのコーディング支援を想定したAIツールです。
GitHub CopilotはChatGPTやMicrosoft Copilot同様、OpenAIの大規模言語モデル(LLM)をベースに構築されていますが、プログラムのコーディングに特化した調整が行われており、プログラム開発のさまざまな場面でプログラマーを支援します。
本連載では、GitHub Copilotの便利な機能や利用法を、複数回にわたって紹介していきます。今回は、GitHub Copilotで何ができるのか概要を紹介するとともに、実際にGitHub Copilotを使い始めるための契約、環境構築の手順を説明していきます。最後に実際にGitHub Copilotを利用して、便利さを体験していきます。
対象読者
- GitHub Copilotは聞いたことがあるが体験したことがない方
- AIによるコーディング支援を実感したい方
- プログラミング作業で少しでも楽をしたい方
必要な環境
本記事では、Windows 11+Visual Studio Codeの環境でGitHub Copilotを使っていきます。環境構築についての詳細は後述します。またサンプルコードを実行するためにNode.jsを利用します。
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Windows 11
- Visual Studio Code
- Node.js 20.12.1 64bit版
GitHub Copilotが支援してくれること
最初に、GitHub Copilotがプログラマーをどのように支援してくれるのか、例をいくつか紹介します。ここでは機能の概要のみを述べ、実際の操作方法は後述します。
プログラムコードの生成
実装したい内容を自然言語(日本語など)で指示して、GitHub Copilotにプログラムコードを生成させることができます。
プログラマーの意図を先読みした実装の提案
GitHub Copilotは、プログラマーがコーディング中に、次に必要とされるであろう実装を先読みして提案してきます。プログラマーは(内容を判断したうえで)提案を受け入れることで、キーボードからコードを入力する手間を大幅に削減できます。
実装からコメントを、コメントから実装を生成
GitHub Copilotはプログラムの内容を理解して、メソッドや処理に対するコメントを提案できます。メソッドや処理の前にコメントを記述しようとすると、コメント内容を自動的に提案します。逆に、先に入力したコメントから、その内容の処理を行うプログラム実装を提案させることもできます。
AIとの対話(Copilot Chat)
GitHub Copilotでは、AIと対話をするためのチャット機能(Copilot Chat)が利用できます。ソースコードに関する質問や、プログラミングに関する一般的な質問ができます。