ガートナージャパンは、2024年以降のソフトウェアエンジニアリングに関する戦略的テクノロジトレンドのトップ5を、6月3日に発表した。
2024年のソフトウェアエンジニアリングに関する、戦略的テクノロジトレンドのトップ5は以下の通り。
- ソフトウェアエンジニアリングインテリジェンス
- AI拡張型開発
- グリーンソフトウェアエンジニアリング
- プラットフォームエンジニアリング
- クラウド開発環境
ソフトウェアエンジニアリングインテリジェンスでは、透明性の高いエンジニアリングプロセスの統合的なビューが提供されるので、リーダーはベロシティとフローだけでなく品質、組織の有効性、ビジネス価値についても理解し、測定できるようになる。
AI拡張型開発は、ソフトウェアエンジニアによるアプリケーションの設計、コーディング、テストを支援するために、生成AIや機械学習といったAIテクノロジを利用する開発であり、AI拡張型開発ツールはソフトウェアエンジニアの開発環境と統合され、アプリケーションコードの生成、設計からコードへの変換、テスト機能の強化などに利用される。
グリーンソフトウェアエンジニアリングは、炭素効率に優れ二酸化炭素の排出量に配慮したソフトウェアの構築に関する専門分野。グリーンソフトウェアを構築するには、アーキテクチャ/設計パターン、アルゴリズム、データ構造、プログラミング言語、言語ランタイム、インフラストラクチャについて、エネルギー効率の高い選択をする必要がある。米Gartnerは、2027年までにグローバルな大企業の30%が非機能的な要件として、ソフトウェアのサステナビリティを含めるようになると予測しており、この値は2024年の10%未満から大幅な増加となる。処理負荷の高いワークロードを使用する組織では、二酸化炭素の排出量が増加し、とりわけ生成AI対応アプリケーションはエネルギーを大量に消費することから、グリーンソフトウェアエンジニアリングの導入はサステナビリティ目標の優先順位付けに役立つ。
プラットフォームエンジニアリングは、社内の開発者ポータルや複数のプロダクトチームが利用できるプラットフォームを通じて基本機能を提供することで、開発者の負荷を軽減する。このようなプラットフォームによって、ソフトウェア開発を促進する「舗道」が提供されるので、開発者にとっては時間の節約につながり、満足度を高められる。Gartnerは、2026年までに大規模なソフトウェアエンジニアリング組織の80%が、プラットフォームエンジニアリングチームを立ち上げると予測しており、これは2022年の45%と比較して大幅な増加となる。
クラウド開発環境は、設定の手間を最小限に抑えつつリモートアクセスですぐに利用可能な、クラウドホスト型の開発環境を提供する。開発ワークスペースを物理的なワークステーションから切り離すことで、負担の少ない一貫性のある開発者エクスペリエンスが実現し、開発者のオンボーディングに要する時間が短縮される。
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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