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プラットフォームづくりを成功に導く!開発者のための「Platform Engineering」入門

プラットフォームをプロダクトとしてどう構想し、成長させていけばよいか? 「Platform as a Product」5つのフェーズ

第6回 プラットフォームの構想から成長まで

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 これまでの連載で、Platform Engineeringの目的、組織面の特徴と技術面の特徴について解説しました。Platform Engineeringでは、開発者の認知負荷を下げるために、プラットフォームチームがセルフサービス型のプラットフォームをプロダクトとして提供します。本記事では初めてプラットフォームを提供する方に向けて、構想から成長までの進め方を解説します。

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Platform as a Productの進め方

 Platform Engieeringでは、プラットフォームをプロダクトとして捉える「Platform as a Product」の概念を採用します。プロダクト開発は顧客や市場のニーズを把握し、提供する機能に優先度をつけて継続的に活動します。Platform as a Productにより、開発したプラットフォームが使われないリスクを低減できます。

 本記事ではPlatform as a Productの活動を次の5つのフェーズで定義します。

  1. 構想期
  2. 仮説期
  3. 検証期
  4. 拡大期
  5. 成熟期
Platform as a Productの5フェーズ
Platform as a Productの5フェーズ

 仮説期と検証期については通常のプロダクト開発と同様、前のフェーズに戻りながら探索を繰り返します。

 以降では、各フェーズごとに検討すべきことを説明します。

構想期:実現したい世界観を描く

 構想期ではプラットフォームが実現したい世界観を明文化します。例えば「新規の開発者がある日1000人来ても、一人で初日からコードがコミットでき、社内のベストプラクティスに沿ってテストを実行し、セキュリティルールに沿ったデプロイができる」などです。この世界観は、以下の特徴を持つものを考えていきます。

  • 開発者とプラットフォームが所属する組織の両ミッションに沿っている
  • 認知負荷の削減などにより、開発者の生産性を向上させている
  • 現状の改善からは到達しづらい「あるべき姿」である
  • 周囲の同僚から経営層まで説明しても共感が得られる
  • 変更頻度が低く、数年経っても色褪せない

 この世界観はプロダクトを成長させる方向性を決めます。実現したい世界観、顧客と市場のニーズが重なる機能を優先して開発します。

次のページ
仮説期:最初の顧客と解くべき課題を決める

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この記事の著者

井沢 祐介(イザワ ユウスケ)

 株式会社野村総合研究所に所属し、生産性向上プラットフォーム事業「aslead」に従事。CI/CD、ソースコード検索、AIコーディングなど社内の開発生産性を向上するプロダクトを社内に提供し、マンパワーに頼らない開発体制の実現に向けて活動中。また、社外では現職の経験を活かしPlatform Engin...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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