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Developers Summit 2024 Summer レポート

ビジネスとの「距離感」を磨こう──ばんくし氏が語る、事業貢献とエンジニアの夢を両立する鍵

【23-C-1】エンジニアとビジネスの距離感の難しさと夢

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エンジニアが「ビジネスとの距離感」を磨くための心構え

 ビジネスとの距離感という難しい感覚を掴み、エンジニアとしての理想の環境を実現するために、河合氏は次のような心構えを持つことを勧めた。

 エンジニア個人としては、まず技術知識を深めることだ。他のメンバーやステークホルダーとは異なる専門性を持ち、他者に貢献することで、共通の目的を実現することができる。次に、適切なTPOで自らの専門性を使うことだ。ここで重要なのは、未来を行き過ぎていないか、あるいは時代遅れではないかを見極めること。求められるビジネスに対して、何が適切な技術か、常に考え抜く必要がある。

 そして、プロダクトを作って終わりではなく、ビジネスの中で技術を活用してもらい、結果を生み出すためにできる限り支援するのも大切だ。これらのポイントを意識することで、エンジニアとしての夢の実現と、ビジネスとの距離感の習得につながると、河合氏は言う。

 また、事業貢献を考えるうえでは、エンジニア組織の視点も欠かせない。事業貢献のためには、ビジネス側からの要求を上回るほど、高速・高品質なものづくりを追求する必要がある。そして組織としても、自分たちの技術が適切に使われているか検証し、活用を支援する動きが必要だ。そうして、顧客や社会が抱える複雑な課題を解くことで、さらなるイノベーションを目指すことが求められる。

 このような心構えを通して、事業と関わりながらも「ものづくりが大好き」「ワクワクする」という、エンジニアとしての内発的なモチベーションを刺激することが大事だと、河合氏は言う。一方河合氏は、ビジネス側との違いを埋めようとすることや、ビジネス側からエンジニアに対してアプローチすることに対しては、エンジニアの内発的モチベーションを削ぐ恐れがあると指摘した。

 「つまり、ビジネスの距離感を埋めようとするのではなく、自分の技術をどう活かすかを考えることが重要です。これがエンジニアとしての私の結論です」(河合氏)

エンジニアの内発的動機を保ちながら、エンジニアとして技術を事業にどう生かしていくかが重要

 最後に河合氏は、「エンジニアとしての夢を実現するために動きながら、周囲がやりたいことも視野に入れつつ、適切な技術の使い方や適切なタイミングを考え抜き、その中で挑戦していくことが我々の専門性であり、エンジニアとしての事業貢献です」と述べ、講演を終えた。

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この記事の著者

Innerstudio 鍋島 理人(ナベシマ マサト)

 ITライター・イベントプロデューサー・ITコミュニティ運営支援。 Developers Summit (翔泳社)元スタッフ。現在はフリーランスで、複数のITコミュニティの運営支援やDevRel活動の支援、企業ITコンテンツの制作に携わっている。 Twitter:@nabemasat Facebook Web

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丸毛 透(マルモ トオル)

インタビュー(人物)、ポートレート、商品撮影、料理写真をWeb雑誌中心に活動。

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